非加熱サファイアの評価基準は大きく分けて４つあります。
・色　・透明度　・大きさ　・テリ（輝き）です。
それらについて、できるだけ簡単にご説明させていただきます。

サファイアはルビーと同じコランダムという鉱物です。
赤色を持つルビー以外のコランダムは全てサファイアと呼ばれます。

市場に出回る99％以上のサファイアが、色味の改善を目的とする加熱処理が施されています。
その為、処理を施されていない非加熱サファイアで品質の高いものはとても価値があります。

サファイアは画像S～Dのように鮮やかなブルーから、くすんだブルーと色みは様々ですが、
画像Sのように非加熱でありながら鮮やかで濃厚なブルーのサファイアは大変に価値の高い物となります。
単純に色が薄い、浅い、もしくは濃過ぎ、暗すぎといった場合は非加熱であっても価値は低くなります。
中でも、コーンフラワー（矢車菊の色）ブルーが最高級と言われています。
言葉でそれを伝えるのは難しいものですが、ほのかにヴァイオレットさを含み、まったりとしてとても美しい色です。
また、ロイヤルブルーといわれるブルーも大変価値の高い物です。こちらは正統派の美しいブルーといった色合いです。
しかし鑑別機関によっては、質が悪くてもロイヤルブルーと記載している場合もあるので注意が必要です。

画像S～Dのように、透明度の高いものから透明度の低い物と様々になりますが、
サファイアはルビーに比べて傷、内包物が比較的少ない宝石です。その為、
ダイヤモンドのような厳密なクラリティで区分けされませんが、傷の有無で価値は上下しやすいです。
また、非加熱サファイアの特徴であるシルクインクリュージョンに関しては、場合によっては透明度を損なうものではありますが、
非加熱のナチュラルサファイアのみに見られるものとして逆に好まれる場合もあります。

サファイアの産地として有名なのは、ビルマ（ミャンマー）、カシミール地方、マダガスカル、スリランカ、オーストラリアです。
カシミール産は最高級と言われるコーンフラワーブルー、ビルマ産はロイヤルブルーと呼ばれる深みあるブルーカラーが
有名ですが、いずれも希少性が高く高値で取引されています。
またベルベットブルーと呼ばれるマダガスカル産サファイアはロイヤルブルーに近い評価を持っています。
スリランカ産は大粒かつ透明度が高いものが多く、紫がかったブルーが特徴です。

ここでの大きさとは重量を指し、カラット（ｃｔ）と表現しますが、
品質が一定以上であれば、カラットが大きければそれに伴い価値は高くなります。
ただし、色や透明度の低い非加熱サファイアでは、カラットが大きくなってもさほど価値は上昇しません。
あくまで重要なのはバランスであり、宝飾品として適したサイズでで需要の多いサイズの価値が高まりやすい傾向にあります。
10ctの大粒でも色がイマイチな品質の非加熱サファイアよりも、色も透明度も良い2ctの非加熱サファイアのほうが高額査定となったりします。
そういった意味で大きいだけで高価ということではない。という事は1つ覚えておいていただきたいですが、
色が薄くても、5ｃｔ以上の大粒で透明感や照り輝きがある非加熱サファイアですと、それなりのお値段となります。
しかしその辺りは僅かな質の違いでピンキリですので難しいところです。

テリはまさしく表面光沢などの輝きを指し、当然そのサファイアが持ち合わせたテリも重要になりますが、
内包物の多さや入り方も影響します。上質な非加熱サファイアはテリも必然的に良いので最終的なポイントとなる要素です。
また、輝きに関してもカットの種類や内包物によって大きく変わってきます。
いずれにしてもテリ、輝きの良い物が高価ですが、色は悪いがテリは良い。といった非加熱サファイアが
高額で取引されることはありませんので、カラーや透明度よりは価値に及ぼす影響は低いかもしれません。
カラーや透明度が上質なサファイアは、自然と輝きも良いものが多いですからね。

サファイアは一般的に　オーバルカットといわれる楕円形のものが多いですね。
それ以外にも　・カボション　・ハートシェイプ　・ペアーシェイプ　・スクエア　　などがあります。
サファイアにおいては、カットの形で価値はあまり左右されませんが、カボションカット非加熱サファイアは、
スターサファイアとなる場合も多いので別の考え方が必要となります。いずれにしても色や透明度に比べ、
形の重要性は比較的低い物です。

以上で非加熱サファイアの簡単な価値についての説明は終わりますが、
本当はまだまだ非加熱サファイアの世界は奥が深く、
皆様にお教えしたいことが沢山あるのですが、それはまた査定の機会に。

お買取り査定でお持ち頂いた非加熱サファイアに関して、ご不明点があれば何なりとお聞きください。

ここには書いていないような裏話や知識もお教えしちゃうかもしれません。　では失礼します。