日本初の真珠専門店を開いたMIKIMOTOジュエリーの魅力
数あるジュエリーブランドの中でも、MIKIMOTOは高い人気を誇っています。
一度は耳にしたことのあるジュエリーブランドですから、MIKIMOTOの商品そのものに留まらず、ブランド自体に興味を抱いている人も多いのではないでしょうか。
ブランドへの理解が深まると商品の見方も良い意味で変わってきます。
本稿ではMIKIMOTOの歴史やブランドとしてのこだわり、買取時のポイントなどについて見ていきましょう。
1.MIKIMOTOというブランドについて
まずはMIKIMOTOが人気ブランドとしての地位を確立するまでの歴史を紐解いていきます。
#真珠の養殖に成功
MIKIMOTOの創業者である御木本幸吉は1858年の生まれで、現代で言う三重県鳥羽市にあった米穀商の育ちです。
御木本氏は地元で採れる海産物に注目し、若干20歳で海産物業界へ参入して成功を収めます。
地元の天然真珠が絶滅の危機に瀕していることを知ると独学で真珠の養殖研究を開始しました。
5年間の試行錯誤の後、御木本氏は1893年に世界で初めて半円真珠の養殖に成功したのです。
#本格的な業界参入
真珠の養殖に成功した御木本氏はさっそく、1983年にシカゴで開催されたコロンブス万国博覧会をはじめとする世界各国の博覧会へ養殖真珠を用いた工芸品を持ち込みます。
確かな手ごたえを感じると、1899年に銀座で日本初となる真珠専門店「御木本真珠店」を立ち上げて国内のジュエリー業界へ本格参入しました。
1905年には真円真珠の養殖も成功させ、明治天皇に謁見するなど輝かしい功績を残しています。
その勢いは留まることを知らず1913年にはロンドンへ支店を構え、欧米諸国にMIKIMOTOの名を轟かせていくこととなりました。
1918年頃にはパールの量産体制が整ったとされています。
1924年に宮内庁御用達店であることを示す「宮廷宝飾店」として制定されました。
#地位を確立するきっかけとなった裁判
順風満帆に見えるMIKIMOTOの歴史ですが、世界からは厳しい声もありました。
というのも、MIKIMOTOの養殖真珠があまりに人気であったがために天然真珠を扱う宝石商から排斥運動を起こされたのです。
この運動は1921年にパリで裁判まで発展し、判決が出るまでに3年の月日を要しました。
御木本氏はイギリスのオックスフォード大学やフランスのボルドー大学で活躍する学者たちのバックアップを受け、科学的な知見から養殖真珠の品質を証明することに成功して全面勝訴を勝ち取っています。
この判決は司法が養殖真珠の価値を認めたことと同義であり、MIKIMOTOが世界的ジュエリーブランドとしての地位を確立する決定打となりました。
< MIKIMOTO の買取相場 例>
ミキモト ネックレス アコヤ真珠 パール 6.0-6.6mm珠 ロング 2WAY K14YG 参考買取価格 【状態Sランク】 100,000円 | ミキモト ネックレス アコヤ真珠 パール 7.5mm珠 一粒 K18WG 参考買取価格 【状態Sランク】 16,000円 |
ミキモト ネックレス アコヤ真珠 パール 6.8mm珠 ダイヤモンド K18YG 参考買取価格 【状態Sランク】 25,00円 | ミキモト ネックレス アコヤ真珠 パール 7.8mm珠 K18YG 参考買取価格 【状態Sランク】 18,000円 |
ミキモト ネックレス アコヤ真珠 パール 5.3mm珠 ダイヤモンド K18YG 参考買取価格 【状態Sランク】 23,000円 | ミキモト ネックレス アコヤ真珠 パール ダイヤモンド 2WAY K18WG 参考買取価格 【状態Sランク】 36,000円 |
2.MIKIMOTOのパールが持つ特徴とは
MIKIMOTOが数あるジュエリーブランドの中でもトップクラスの人気を誇る理由には以下の2つが挙げられます。
#飽きの来ない洗練されたデザイン
MIKIMOTOはジュエリー商店として立ち上げられた当初から、本場海外の宝石を目の当たりにしています。
その経験やノウハウは自社の商品デザインにも如何なく発揮されており、クラシカルで美しいデザインは何世代にもわたって愛され続けてきました。
しかしMIKIMOTOのジュエリーデザインは、単に伝統を模しただけのものでありません。
優秀な職人は1910年代から既に海外派遣されており、当時の先端デザインだけでなく加工技術の習得にも成功しています。
それらと日本古来の技術である「ケシ定め」や「透かし彫り」などを融合することで、ジュエリーの伝統を受け継ぎながらも日本らしさ・MIKIMOTOらしさが感じられる唯一無二のデザインを生み出したのです。
#徹底的な品質管理
MIKIMOTOは自社の養殖真珠に厳正な品質基準を設けていることで知られています。
「光沢」「巻き」「形」「サイズ」「色」のすべてをクリアした真珠だけがMIKIMOTOパールとして世に送り出され、その数は全体の10%にも満たないのです。
MIKIMOTOパールはキズや色ムラが極めて少なく、巻きの厚さから高い耐久度も兼ね備えています。
見る角度によって輝き方が微妙に変化する表情の豊かさは、MIKIMOTOパールの大きな特徴です。
養殖から加工までを自社で一貫して行うMIKIMOTOだからこそ成し得る徹底した品質管理は、世界中で認められるクオリティを維持しています。
#MIKIMOTOの価格水準
ジュエリー商品の値段は使用している素材の品質や大きさによって変動します。MIKIMOTOが手がけるパールジュエリーの価格水準を推し量るには、シンプルなパール連ネックレスの価格ラインナップを参考にすると良いでしょう。公式ホームページ上で確認できる価格は以下の通りです。
(参照URL:https://www.mikimoto.com/ 2023年11月現在)
・アコヤ真珠約6.00mm以上6.50mm未満:440,000円~
・アコヤ真珠約6.50mm以上7.00mm未満:517,000円~
・アコヤ真珠約7.00mm以上7.50mm未満:616,000円~
・アコヤ真珠約7.50mm以上8.00mm未満:913,000円~
・アコヤ真珠約8.00mm以上8.50mm未満:1,320,000円~
・アコヤ真珠約8.50mm以上9.00mm未満:1,980,000円~
尚、40cmのネックレスでの最低価格ですので、珠の質によりそれ以上になる事が多く、長さも長くなるにつれ当然高くなります。
3.MIKIMOTOの人気シリーズ
MIKIMOTOの中でも製品シリーズはいくつかに細分化していますが、特に人気が高いものには以下の4つが挙げられます。
#premium
ミキモト premium プレミアム アコヤ真珠 7~7.3mm珠 ネックレス K18YG
参考買取価格
【状態Sランク】300,000円
ミキモト premium プレミアム アコヤ真珠 8~8.5mm珠 ネックレス K18YG
参考買取価格
【状態Sランク】700,000円
品質の高さが売りのMIKIMOTOの中でも、トップクラスの美しさと輝きを誇るものだけを使用したフラッグシップシリーズがPremiumです。シンプルなパール連ネックレスながらも1つ1つの真珠が強い存在感を持ち、婚約や記念日など特別なシーンに用いられています。通常のネックレスでも厳選のパールですが、さらに厳選のパールですので定価も更にお高い逸品となります。
#The Best of The Best
ミキモト BEST OF THE BEST ベストオブザベスト アコヤ真珠 7.5~8mm珠 ネックレス K18YG
参考買取価格
【状態Sランク】1200,000円
The Best of The Bestもまたシンプルなデザインのパール連ネックレスですが、使用されている真珠は正にMIKIMOTO内で最上位に位置付けされる最極上品質ものだけですので、その美しさは息を飲むほど。
当然年間でも数本しか制作販売されないものとなる為、9mmサイズで定価は400万円程、9.5~10mmサイズともなると定価は1800万円程となる、まさしく最極上品となり、お目に掛かる事も難しいでしょうさりげなくダイヤモンドがあしらわれた留め具など細部にも高級感が溢れる仕様となっています。
#ピクウェ
ミキモト ネックレス シェル ダイヤ ダイヤモンド ピクウェ ベル K18YG/WG 6.5g
参考買取価格
【状態Sランク】65,000円
ミキモト ブローチ シェル ダイヤ ダイヤモンド ピクウェ リーフ K18YG/WG 13.6g
参考買取価格
【状態Sランク】90,000円
ピクウェとは丁寧で繊細な作りが特徴的な象嵌技法のことであり、その技術は19世紀に1度失われたとされています。
MIKIMOTOではジュエリーに適したその技法を現代に蘇らせ、イヤリングやペンダントといった小物に施しているのです。細やかな模様や造型が美しさを際立たせているシリーズと言えるでしょう。
#幸福の木
ミキモト ブローチ 幸福の木 パール 真珠 4.7-7.0mm K18
参考買取価格
【状態Sランク】100,000
ミキモト ブローチ パール 真珠 4.0-5.2mm 幸福の木 シルバー
参考買取価格
【状態Sランク】20,000円
幸福の木は真珠を木の枝に成った実に見立てたブローチシリーズです。
製品によって枝がゴールドであったりダイヤモンドがあしらわれていたりと、それぞれ異なった趣を楽しめます。
サイズ違いのパールを10個以上配置したデザインは立体感があり、身に付ける人の魅力を惹き立ててくれる逸品です。
4.MIKIMOTOのパールを高く売るためのポイントと買取相場
MIIKIMOTOの買取相場は珠の連なるネックレス商品で10~50万円前後、ピアスやイヤリングが4万~10万円前後、ブローチで3万~12万円前後のジュエリーが多いですが、上記の通り珠の質や大きさ、使用量などで価格は大きく異なりますので、高く売るためには、まず、ミキモトの相場や価格に詳しいお店を選ぶ事です。
できれば数社ピックアップし、それぞれのお店で簡易見積りを取る事をお勧めします。
ミキモトに詳しくないお店や、そもそもの安買いのお店に売却してしまうと数十万円も損をしてしまう可能性もあるので注意してください。
また、「付属品を揃える」ことも少しでも高く売るためには意識が必要です。
箱や鑑定書を自宅で保管している場合は一緒に査定に出すのがおすすめです。キレイな状態なほど需要が高まるので「キズ以外の軽度な汚れは拭き取っておく」ことも心がけてください。
5.MIKIMOTOの廃盤ラインの価値は?
アンティーク ミキモト ターコイズ トルコ石 ダイヤ ダイヤモンド K18YG/Pt/K9
参考買取価格
【状態Sランク】300,000円
アンティーク ミキモト ダイヤ リング ダイヤモンド PLAT
参考買取価格
【状態Sランク】200,000円
アンティーク ミキモト ブレスレット ルビー ダイヤ ダイヤモンド アコヤ真珠 パール K9WG/K18
参考買取価格
【状態Sランク】250,000円
ミキモト 帯留め パール 真珠 7.8-8.0mm 翡翠 ヒスイ ダイヤ ヴィンテージ K14WG
参考買取価格
【状態Sランク】80,000円
ミキモトの廃盤品やアンティーク、ヴィンテージジュエリーは、とても貴重で高価なものから、古い、ヴィンテージ品だからという理由だけでの価格の高騰はさほどおきていません。
それでも100年以上もの歴史の長いブランドですから、50年~100年ほど前のジュエリーであれば、当然大変貴重ですし高値で取引されるものとなります。
しかし、20~30年程前のヴィンテージまでいかないオールドなだけのミキモトのジュエリーであれば、現行のデザインのジュエリーの方が圧倒的に高値で取引、販売をされるのが現状です。
しかし、数十年前のジュエリーでも、とても上質なパールや宝石を使用したジュエリーであれば単純に宝石の価値として高値は付きますし、品質に妥協のないミキモトですから、
オールドジュエリーであっても諦めずに査定に出される事は強くお勧め致します。
6.MIKIMOTOは日本が世界に誇るジュエラー!
養殖真珠のパイオニアとして成し遂げた功績は計り知れない
MIKIMOTOは創業者である御木本幸吉氏の弛まぬ努力によって大きな躍進を遂げた日本屈指のジュエリーブランドです。その品質やデザイン性は世界中で認められており、長きにわたって愛され続けています。
世界初の真珠養殖成功という偉業もさることながら、ジュエリーブランドとしてのこだわりや理念も一切の妥協がありません。
ブランドに想いを馳せながら、MIKIMOTOのパールジュエリーを楽しんでみてください。