フランス パリの至宝!ブシュロンってどんなジュエラー?
グランサンクに名を連ね、世界屈指のハイジュエラーとして君臨しているブシュロン。
上質な貴石やハイジュエラーらしい高い作り込みはもちろん、洗練されたデザインにおいても一家言を持っており、ファッショニスタらに愛され続けてきました。
この記事では、ブシュロンについて解説いたします。
1.ブシュロンってどんなブランド?
①概要
ブシュロンというと、冒頭でもご紹介しているように「グランサンク」と紐づいて語られることがしばしばです。
グランサンクはフランス発の「世界5大ジュエラー」「THE BIG FIVE」「フランス高級宝飾店協会」などとも称されますが、パリ ヴァンドーム広場およびラぺー通りに位置する店舗の、代表的なハイメゾンを指す用語です。ちなみにブシュロンの他では、ヴァンクリーフ&アーペル、ショーメ、メレリオ・ディ・メレ―、モーブッサンがグランサンクに名を連ねています。
ヴァンドーム広場はパリの中心地にして、ハイブランドを始めとした超一流店が軒を連ねるスポットです。パリへ行ったら、絶対に一度は訪れたい地でしょう。ブシュロンは、そんなヴァンドーム広場に、ジュエラーとして初めて店舗を構えたブランドです。
ブシュロンの創業年は1858年。創業者はフレデリック・ブシュロン。この時はヴァンドーム広場ではなく、パリのパレ・ロワイヤルですが、この地もまたパリの中心地であったことは変わりません。
フレデリック・ブシュロンは繊維業の家に生まれましたが、14歳でジュエラー見習いとなり、卓越した審美眼と上質なジュエリーの作り手として頭角を現していきます。
また革新性においても名を馳せており、エングレービング技術を復刻させてダイヤモンドに彫刻をあしらったり、女性が自分自身で自由に身に着けられるクエスチョンマーク ネックレスを製造したりと、ジュエリー業界に投じた一石は、さぞ大きかったことでしょう。なお、1867年のパリ万国博覧会で金賞を受賞するなど、国際的な賞を手にしていることからも、その実力のほどは明白ですね。
このブシュロン創業期、パリは産業革命が進行していました。パリは急激に人口が集中し、都市として拡大の一途をたどっていた時代でした。もともとパリは世界的に高名な地でもあり、各国からも人が流入していたのでしょう。そんな土地でセレブや王侯貴族らに愛されていったブシュロンは、ブランドとして連綿と伝統を紡いでいきます。
そうして1893年、パリ ヴァンドーム26番地の特別な邸宅・ノセ邸を購入し、アトリエ兼ブティックをオープン。現在でも同地で、リノベーションされた邸宅はいっそうの輝きを放っております。
そんなブシュロン、現在ではジュエリーはもちろん、高級時計や香水を展開しており、いずれもその上質さ、そして革新性で現代セレブをトリコにし続けております。
有名人にも愛用者が多く、俳優の井上真央さんや上戸彩さん米倉涼子さん、冨永愛さん、中条あやみさん、などといった憧れの女性陣がブランド広告のアイコンやオーナーとしてしばしば話題に上ります。
2013年にはグッチ率いるコングロマリット「ケニッシ」に参入。
創業165周年を目前に、フランスやイギリス、モナコといった欧州はもちろん、アメリカ、アジア、中東、そして日本の各国で店舗展開しており、ジュエリー界の大御所として世界中で確固たる地位を築き上げています。
②ブシュロンの代表コレクション
長い歴史を持つブシュロンは、自社のレガシーや創業地を巧みに落とし込んだコレクション展開も魅力の一つです。
最も代表的なコレクションは、キャトルコレクションでしょう。
これは2004年ローンチと比較的新しいコレクションですが、ブシュロンの知名度をいっそう高める契機ともなりました。
キャトルはフランス語で「4」を意味しますが、この名を示すように、4種のカラーの層―定番のキャトルクラシックでは、ホワイトゴールド、ピンクゴールド、イエローゴールド、そしてPVDコーティングによって独特の風合いを実現したチョコレートゴールド―で構成されたデザインが大きな魅力です。
ちなみにこの4種のゴールドは、ブシュロンが大切にしてきた技術や素材を表現しているとのこと。とりわけキャトルコレクションの着想となったパリ ヴァンドーム広場の石畳みを思わせるクル・ド・パリ装飾モチーフは、畢生の出来栄え。しっかりと作り込まれているがゆえ、モダンさの中に上質な美を忘れていません。
現在のキャトルコレクションは多岐に渡っており、必ずしも4種の色合いが重なるわけではありませんが、その多層構造によって表現された独創的かつ都会的な世界観は唯一無二です。
また、セルパンボエムコレクションも、ブシュロンの象徴のような存在です。
セルパンとはフランス語で蛇を意味します。蛇は地域によって様々な信仰がありますが、欧州のメゾンでは再生と幸福の象徴として、しばしばモチーフに選ばれているものです。ブルガリのセルペンティも蛇がジュエリーあるいは時計に落とし込まれていますね。ちなみにボエムはボヘミアンを意味しています。
セルパンボエムはまるで蛇の頭のようにぷっくりとしたチャームに、しなやかな体躯を思わせるツイストチェーンといったデザイン性が大きな特徴です。蛇モチーフの縁起のよさからブライダルやペアでも高い人気を誇ります。
その他ではダイヤモンドの美しいカッティングを思わせるファセットコレクション。さらにファセットカットから着想を得、グラフィカルな装いに仕立て上げたジャック ドゥ ブシュロン等、数々のコレクションを抱えています。
加えて、ブシュロンはウォッチコレクションにおいても一家言を持っており、現在トレンドとなりつつあるストラップのクイックチェンジを1947年という早い段階から取り入れたリフレが非常に有名です。
2.ブシュロンの価格帯と買取情報
ブシュロンはフランスを代表するハイメゾン。
そのため定価はハイプライスとなります。
例えば代表コレクションのキャトル。シンプルなモデルでも20万円台〜。ミドルレンジでも50万円台〜で、貴石がふんだんいあしらわれていたり大ぶりになったりすると、100万円超となります。
その他のコレクションを見ても、数十万円〜が当たり前といった定価が設定されています。
なかなか気軽に買える金額ではありませんが、その分ブシュロンの素材使いや作りは極上であり、ハイメゾンならではの風格があります。また、高価格帯だからこそ、「憧れ」というブランディングがあり、実際に成功している形です。
さらに言うと、ブシュロンは伝統と上質な製品、そして世界中の「憧れ」に下支えされた再販価値があります。高くても売却時、ある程度の買取査定額で手放すことができる、ということを示唆しています。
一般的にあまり中古市場に強くないジュエリーは素材の価値だけで買取となることが少なくないのですが、ブシュロンほどのハイメゾンであれば再販によってまた次のオーナーに手渡すことができるため、買取店側も業者価格ではなく、一般市場になるべく近い金額の査定を行うことができるのです。
ブシュロンほどのジュエリーは「欲しい!」と思う業者が少なくなく、多くの店舗で積極買取しているというのも特筆すべき点ですね。
当店グリーバーでも、ブシュロンは高額買取の実績が多数となっております。これまで大切に愛用されてきたブシュロン、査定の際は、ぜひ一度グリーバーにお預け頂けますと幸いです。
3.まとめ
ブシュロンについてご紹介いたしました。
グランサンクの一角を成し、確かな技術力と革新性で、今なおジュエリー業界をけん引する存在となっております。
キャトルやセルパンボエムといった名作の数々、ぜひ一度手に取って眺めてみませんか?