彫金技術がすごい!ブチェラッティってどんなブランド?
イタリアの伝統的な金細工の美を味わえる、名門ブチェラッティ。
その繊細かつ工芸品のようなジュエリー群は、惚れ惚れとするような美しさと風格を備えます。
日本では長らく「知る人ぞ知る」といった立ち位置でしたが、2021年には日本初となる旗艦店を東京 銀座にオープンしており、ジワジワと認知度と人気を高めてまいりました。
この記事では、ブチェラッティについて解説いたします。
1.ブチェラッティとは?
ブチェラッティは1919年、イタリア ミラノでマリオ・ブチェラッティ(Mario Buccellati)氏によって創設されたジュエラーです。現在も、マリオ氏の4人の子らによって連綿とブチェラッティの見事な製品が市場に輩出されています。
イタリアはファッションの土地としても高名ですが、同時に名門ジュエラーを多く輩出した地でもあります。ブルガリ、ダミアーニなんかはよく知られていますよね。イタリアンジュエリーなどと称されることもある同地の伝統的なジュエリーは、とりわけ高度な職人技によって生み出される金細工に象徴されます。
そんな歴史が息づく国の第二の都市・ミラノでブチェラッティはスタートしました。
イタリアンジュエリーらしく、美しく繊細な彫金がブチェラッティの大きな特徴となります。「金細工のプリンス」などと称されることもあったとか。またイタリアの栄光の歴史の中で人々を魅了してきた、芸術や美を思わせるデザインもまた、ブチェラッティ・スタイルの一つと言って良いでしょう。
もっともブチェラッティは、5世紀以来のイタリア ミラノで培われた芸術からインスパイアされていると言います。そしてイタリアの土地で活躍した芸術家らが残した金細工からインスピレーションを得て、独創性を加味しているのです。
とりわけボッティチェッリやブルネレスキ、ドナテッロらを引き合いに出していることを鑑みるに、ルネッサンス初期の遺産がブチェラッティのスタイルの源なのでしょう。
最上級の貴金属を、類まれな技術のもとで彫金し、仕上げていく様は、オートメーションにはない美しさと温かみを感じます。確かにセッティングされた貴石も見事なものばかりなのですが、やはりブチェラッティのジュエリーは金細工が主役なのだと、その製品を手に取るとすぐに理解できます。
このように名実ともにイタリアンジュエリー史の紡ぎ手でもあるブチェラッティは2019年、カルティエやヴァンクリーフ&アーペル、ピアジェ等を加えるフランスの大手コングロマリット・リシュモングループ傘下に加わっております。冒頭でも述べたように、2020年には日本の東京 銀座に旗艦店がオープン。ちなみにルイヴィトンやロレックス等、ハイブランドの旗艦店が立ち並ぶ並木通りエリアに位置しております。この旗艦店のスタートと同時に、日本市場での事業展開を手掛けるブチェラッティ・ジャパンのCEOに、報道記者という異例の前職を持つ安達美里氏が就任したニュースなどは記憶に新しい方も多いかもしれません。
ただし、創業家一族が設立し、現在イタリア ローマに本店が位置するフェデリーコ・ブチェラッティはブチェラッティとは別ブランドとなっております。
現在ブチェラッティは女性の日常を活き活きとさせるジュエリーや特別なハイジュエリーライン、ブライダルライン。そしてウォッチや銀製品と、幅広いラインナップを展開しています。若年層への訴求にも余念がなく、四代目クレツィア・ブチェラッティ氏のデザインによるシルバージュエリーのブロッサムは、ブチェラッティの美しき作り込みを楽しめる一方で数万円~と、お求めやすい価格となっており、世代や時代を超えて愛されるブランドと言えるでしょう。
2.ブチェラッティの人気コレクション
イタリアのルネサンス期を思わせる、精密で美しい彫金が特徴的なブチェラッティ。
前述の通りラインナップの幅も大変広いブランドですが、ブチェラッティがアイコンと称するコレクションがいくつか存在します。
まずはレースのような彫金を楽しめる「エトワレ」。ツイストされたツイストされたゴールドの合間からは美しいリリースタイルのダイヤモンドが覗いており、とてもゴージャスかつエレガントに仕上がります。
レースのような、と言えば、「ギルランダ」もこれに当てはまるでしょう。「最も重要な貴石を閉じ込めて守る」といったコンセプトから生まれたコレクションで、かぎ編み状の彫金にブリリアントカットのダイヤモンドが吊るされるという、驚くべき形状を採っていることが特徴です。
その他ではマリオ・ブチェラッティ氏が1930年代に考案した「ハワイ」、ブランドロゴがモチーフになった「オペラチュール」、手作業の彫刻によって独創的な質感を手に入れた「マクリ」等が用意されています。
ジュエラーでありながら、ウォッチコレクションの出来栄えの見事さもブチェラッティならではでしょう。
2001年、スイスのSIHH(ジュネーブサロン)で発表されたことをきっかけにスタートし、スクエアフォルムを基調とした、美しく華やかなコレクションを展開しています。
3.ブチェラッティの買取情報
ブチェラッティは今なお手作業による制作を基調としているため、オートメーション化された大量生産とは無縁です。そのため価格帯としてはラグジュアリークラスとなり、特別感のあるブランドと言って良いでしょう。ブロッサムや貴石を使っていない製品であれば十数万円台~、ですが、基本のプライスレンジは数十万円台から。ゴージャスなエターナルリング等では数百万円超となることも珍しくありません。
一方で販売価格が高いということは、その分売却時にも高値で売りやすい、ということを意味します。
とりわけブチェラッティのように上質なジュエリーを製造できるブランドの製品は再販しやすく、積極的に買取したいという店舗は多いもの。当店グリーバーでも過去、多くのブチェラッティを大手買取店を圧倒する高額価格ででお買取りしてきました。
私が個人的にブチェラッティのジュエリーが好きなのもありますが、他店、大手買取店よりも高値で頑張ってお買取りさせていただく自信がございますので、ぜひお値段比較していただき、当店に売却のご相談をいただければと存じます。
ただしブチェラッティは繊細なつくりが命なため、コンディションによって査定価格に開きが出やすいブランドでもあります。お使い頂く中で、取扱いや保管方法には気をつけていきたいです。
4.まとめ
ブチェラッティについてご紹介いたしました。
ブチェラッティはイタリア ミラノの地でマリオ・ブチェラッティ氏によって創業し、そのファミリーによって連綿とジュエリーが世に送り出されていること。イタリア伝統の金細工を存分に味わえる、美しく精緻なコレクションが見物であること。高額とはなるものの資産価値もまた高いと言え、買取に力を入れる店舗が少なくないことをご理解頂けたでしょうか。
一度ブチェラッティのジュエリーを手にしてみてください。きっと、その精密・精緻な世界観をお楽しみ頂けるはずです。