何らかの事情でダイヤモンドの結婚指輪がいらなくなった時。どうすることが正解でしょうか。ずっと持っておくのも嫌だし、そうかと言って捨てるのはもったいない。そんな方にお勧めしたいのは売却することです。ジュエリー買取に実績のある店舗に売ることは非常にポピュラーな手段です。
とは言え結婚指輪を売っていいものか、ダイヤモンドには何か意味があるのではないか。売った後にパートナーに返却を求められたらどうしようといった不安もあるかと思います。
そこでこの記事では、ダイヤモンドの結婚指輪について解説するとともに、結婚指輪を買取店に売却する方法をご紹介いたします。
1. なぜ結婚指輪はダイヤモンドなのか?
結婚指輪や婚約指輪に、多くのカップルがダイヤモンドを選択しています。これには何か意味や由緒正しい伝統がある。そんな風に思う方もいらっしゃるかもしれません。確かにダイヤモンドの持つ輝きや特性(硬くて傷つきづらい、経年劣化しないなど)、そして古くから伝えられてきた宝石言葉(花言葉のようなもの。純潔や無垢、永遠の絆などを表す)は、結婚にとてもふさわしいと言えるものです。
しかしながら、実は結婚指輪=ダイヤモンドという図式ができたのは結構最近。特に日本においては、ここ30年ほどで定着してきたスタイルです。
そこで、なぜ結婚指輪にダイヤモンドが選ばれるようになったかをご説明いたします。
ダイヤモンドの盟主によるマーケティング
ダイヤモンドメジャーの中でも世界最大手のデ・ビアス社をご存知でしょうか。南アフリカに本社を置く企業で、ダイヤモンドの採鉱・流通・加工・卸売を一手に担います。世界で採掘されたダイヤモンド原石において約4割のシェアを誇り、「世界のダイヤモンドの相場はデ・ビアスが決める」と語られるほどです。
このデ・ビアス社が第二次世界大戦後に行ったマーケティングによって、結婚指輪=ダイヤモンドという図式が作りあげられました。
具体的には、ロマンス映画などでマリッジリングにダイヤモンドを使用させたり、同様の指輪CMを流したりといった試みです。これが大ヒットを遂げ、多くの人々がダイヤモンドをセッティングした結婚指輪に憧れを抱くようになったのです。
日本でもメディアを巧みに使ったマーケティングを行います。「ダイヤモンドは永遠の輝き」「婚約指輪は給料の3か月分」などと言った言葉を聞いたことがありませんか?これらはデ・ビアス社によるキャッチコピーで、日本人の心を捉えるのに時間はかかりませんでした。
このキャッチコピーがテレビCMで流れるようになった1980年代と言うのは、日本は戦後最大の好景気を迎え、バブルに突入していった時代でした。また、1961年にダイヤモンドの輸入が解禁となり、宝飾品としての注目度が高まっていた時期でもあります。そんな景況感によって、「パートナーに極上のダイヤモンドを贈る」ことが急速に普及していったのです。
つまり、「ダイヤモンドの結婚指輪は何か思い入れがあるかもしれない」「格式があるかもしれない」といって、売却に躊躇するようなことは必要ありません。
2. いらなくなったダイヤモンドの結婚指輪はどうする?
冒頭でも軽く触れましたが、いらなくなった結婚指輪、どうしますか?相手に返す、捨てるといった選択肢もあるでしょうが、これではもったいないです。なぜかと言うと、ダイヤモンドであれば、コンディションやグレードなどにもよりますが、ある程度の金額で買い取ってもらえるためです。
特に「捨てる」という選択は絶対にお勧めできません。ダイヤモンドは経年劣化がほとんどなく、メンテナンスや保管に気をつければずっと輝きを保ってくれます。加えてリサイクル可能な資源で、売った後でもジュエリーとしてリフォームすることもできるし、産業用途で用いられることも多いです。
なお、「売る」ことに対して、法律的にも倫理的にもなんら問題はありません。なぜかというと結婚指輪はパートナーから「無償贈与」されたものであり、自分自身の所有物であるためです。例えば離婚した後に元配偶者から「あげた結婚指輪を返せ」と言われても応じる必要はありません。
離婚などをした後は生活面での不安があったり、憂さ晴らしに旅行をしたりと、お金が必要になることもあるでしょう。そのため、結婚指輪を売って元手を作り、新しい人生をスタートさせるという選択肢が最もお勧めです。
3. 高く売れるダイヤモンドの結婚指輪とは?買取相場は?
それではお持ちのダイヤモンドの結婚指輪は、どれくらいで売れるのでしょうか。解説いたします。
① 結婚指輪の買取相場
結婚指輪はダイヤモンドがセッティングされていれば、通常のジュエリーと同じように買取することができます。ただし、相場は通常のものより低くなる可能性があります。
なぜかと言うと結婚指輪は中古市場での需要が低いためです。皆さん結婚指輪をご購入になる時は、新品を選びますよね。そのため、買取金額が購入金額を上回ることはめったにありません。
しかしながら高く売れる製品ももちろん少なくありません。これからの生活の十分な元手となりうる金額になる可能性も高いです。また、ジュエリーとしての相場は低くても、素材としての価値は変わりません。
素材と言うのは、ダイヤモンドの他、土台などに使われている貴金属を指します。これがゴールドやプラチナなどダイヤモンドの価値にプラスして査定額が上がります。
相場はダイヤモンドのグレードやコンディション、カラット数。貴金属であれば純度や重さ。そしてともにその日の相場によって買取金額は異なります。この相場は世界的な需要と供給、為替相場などで日々変動しています。
また、貴金属は精製すればゴールド(またはプラチナ)だけを取り出すことができるので、傷がついていたり歪んでいたりしても素材の価値は変わりません。
ただし、ダイヤモンドが割れていたり傷がついていたりした場合は素材としての価値は低くなってしまいます。
② 高く売れる結婚指輪とは?
中古市場での需要は低い、と申し上げましたが、高く売れるダイヤモンドの結婚指輪ももちろんあります。それは、ハイブランドや人気ブランドの製品です。
ハリーウィンストンやカルティエ、ティファニー。ブルガリやヴァンクリーフ&アーペルに俄など、結婚指輪としても通常のジュエリーとしても人気の高いブランドのものはその付加価値が付きます。それらのブランドの箱やダイヤモンド鑑定書、ギャランティ(保証書)が付いているとなお良いでしょう。
また、サイズが標準サイズ(50~55号程度)のものも売れやすいため査定額は高めとなります。
その他ではコンディションも大切です。前述のように素材として売るなら傷などはあまり重要視されませんが(ダイヤモンド除く)、そのまま再販される場合は査定額に大きな影響を与えます。
いらなくなった結婚指輪でも、投げつけるようなことはせず、大切に保管しましょう。
③ 刻印が付いた結婚指輪は売れる?
イニシャルや「○○to△△」などといった指輪が刻印に刻まれている場合。素材としての価値は変わりませんので、売却することは可能です。
ただし、そのまま再販する場合は刻印を削ることがあるためその分価値は落ちてしまうでしょう。
4. ダイヤモンドの結婚指輪を買取に出す時に押さえておきたいポイント
最後に買取店にダイヤモンドの結婚指輪を査定に出す時に、チェックしておきたいポイントをご紹介いたします。
① ジュエリー買取にノウハウのあるお店で売却する
現在、個人でジュエリーなどを売る方法は豊富にあります。例えばリサイクルショップや質屋、インターネットオークションにフリマアプリといったものです。
しかしながらリサイクルショップ・質屋などはジュエリーに対してノウハウがないところも多く、適正価格がつかない可能性があります。なぜかと言うとダイヤモンドの査定は貴金属と比べて難しく、品質や真贋をきちんと把握する自身がないため、損をしないようにと安い価格を提示してくる可能性があるためです。また、ブランド価値を理解せず、ハイブランドの製品でも素材の価値だけ見ようとする業者もあります。
インターネットオークションやフリマアプリでしたらお好きな価格設定をすることができますが、個人間取引となるためトラブルが発生する可能性があります。
ジュエリー買取にノウハウがあるお店であれば熟練した鑑定士がしっかりと査定をし、適正価格を提示してくれます。転売ノウハウもあるため、自社が欲しいブランドの結婚指輪であれば高額査定をしてくれるでしょう。
② 相場が上がっている時がねらい目
ダイヤモンドは国際取引されている貴石であるため、その日の相場があります。この相場が高い時がねらい目です。とは言え毎日の相場を把握することは難しいかもしれません。優良買取店ではその日のダイヤモンドの相場をホームページなどに掲載しているので、チェックしてみましょう。また、ダイヤモンドは輸入品であるため、円安になるほど価値が上がります。
なお、お持ちのブランドやモデルの需要も買取相場には欠かせないポイントです。例えばそのブランドの結婚指輪を有名人がつけたことが話題になり、人気が沸騰するとそのブランドの相場が上がり、高く売ることができます。
③ 複数の買取店に査定に出して信頼できるお店を探そう
「早く手放したい!」そんな思いでどこでもいいから売ろうとするのはお勧めできません。ダイヤモンドには世界共通の相場がありますが、全ての店舗の買取額が一致しているわけではないのです。と言うのも、買取店が公表している買取価格は、お店の手数料が上乗せされており、この手数料は一律ではありません。
また、お持ちの結婚指輪のブランドに強い店舗か弱い店舗か、積極買取をしているかどうかでも変わってきます。
そのため、何店舗かの買取店に査定に出してみて、納得のいく価格を提示してくれたところに売却しましょう。
ちなみに査定は無料です。査定をして、成約に至らなかった場合手数料が発生する、などというところに持ち込むことは絶対に避けましょう。
5. まとめ
ダイヤモンドの結婚指輪について、いらなくなった場合の対処法や買取店に出す際に気をつけたいポイントをご紹介いたしました。
いらなくなって手放したくなった場合は決して捨てることはせず、ジュエリーの買取店に売却すること。もし元配偶者から返すように言われても応じる必要はないこと。高く売れる結婚指輪もあるが、ダイヤモンドであれば素材の価値がつくこと。そして買取店に査定に出す際に気をつけたいことを解説いたしました。
思い入れもあるだろう結婚指輪。早く手放そうとせず、納得のいく査定額で売却してくださいね。