宝石がセッティングされたジュエリー製品の買取は、どこを価値として認められ、どのように査定されるかご存知でしょうか。
一般的には
・ブランドの価値
・地金素材の価値
・素材に使われる貴石の価値
が査定対象となります。
さらにこの二点の中で詳細な査定が行われますが、モノによってどのように鑑定・評価するかは異なります。
中には査定が非常に難しい商品もあり、鑑定士の経験や腕が大きく問われることも。
この記事では、そんな宝石付きジュエリー製品の買取査定の内訳を徹底解剖いたします!
1. ブランドの価値
査定に持ち込まれたジュエリーは、まずどこのブランドであるか、つまり「ブランド価値」をチェックします。
ブランド価値があれば、製品を加工せずそのまま販売することができるためです。
なお、モノによってその後の査定の流れは異なりますが、ハイブランドだから必ずしも高額となる、というわけではありません。
以下でブランドの価値別に査定基準をご紹介いたします。
1-1. ハイブランドまたは有名ブランドの場合
ハリーウィンストンやカルティエ、ヴァンクリーフ&アーペルなどの超ラグジュアリーブランド。あるいはシャネルやティファニーなどの国内人気が高いブランド。また、石川暢子氏や岩倉康二氏など、有名ジュエリーデザイナーが手掛ける商品。
こういったブランド価値が高いジュエリーは査定に大きく影響します。
もちろん高値が付きやすいと言っていいでしょう。
ブランド価値が認められると、コンディションや付属品(鑑定書やボックス)が鑑定されます。
ブランド価値のあるジュエリーは加工せずにそのまま販売ルートに回されることがほとんどです。そのため、傷はないか、土台の貴金属にへこみや破損がないか、など、コンディションが入念にチェックされ査定額に反映されていきます。
なお、付属品はあるに越したことはありません。
ダイヤモンドの鑑定書やルビーなどの色石の鑑別書は、ノンブランド製品であれば石そのものの素材の価値判断(真贋、グレードなど)に使われますが、ブランドジュエリーにとっては立派なメーカー付属品。
買取価格にプラスアルファしてくれるお店もあるので、お持ちでしたら一緒に査定に出しましょう。
ここで気をつけてほしいのが、定価の高さがブランド価値というわけではないこと。と言うのも、市場のニーズが色濃く反映されます。
例えば同一ブランドの中でもラインによって人気は変わり、その分価値は異なります。超ラグジュアリーブランドのものでも、時代遅れなどを理由に欲しがる人が少なければ買取額は落ちてしまいます。一方で比較的リーズナブルな価格帯のブランドであっても、人気の高いものは定価の70%ほどで買取されるケースもあります。
ここで言う人気とは、有名人が愛用している、新作か、デザイン性が高いかなどなど、様々な要素が絡み合います。
また、人気が高く、かつ中古市場での流通量が少ないものはより高価買取となります。
さらに、お持ちのブランドジュエリーの積極買取を行っているお店かどうかでも大きく異なるでしょう。
いくら超有名ブランドで人気の高いレアモデルであっても、持ち込んだ買取店がそのブランドのジュエリーを扱うノウハウの有無によって査定額は大きく異なってしまいます。
一度買取店のホームページや問い合わせで、どのようなブランドジュエリーを取り扱ってきたか、今どのようなブランドを積極買取しているかを確認すると良いでしょう。
1-2. ハイブランドまたは有名ブランドのブライダルジュエリー
前述したようにハイブランドだからと言って高額査定の対象になるとは限りません。これは有名ブランドにも言えることです。
なぜなら市場でのニーズを強く反映するため、と前述しました。
それを顕著に表しているのがリングなどのブライダルジュエリーです。
ブライダルジュエリーは定価に比べ査定額は低めになることが多いです。
と言うのも、中古需要が低いわりには中古市場での流通量が比較的多いためです。
シンプルな貴金属とダイヤモンドのみ、というデザイン性の少なさも大きく関係しているでしょう。
とは言えやはりハリーウィンストンなどハイブランドのブライダルダイヤモンドリングは定価が高く人気も圧倒的なため、買取は高額となります。
また、ハイブランドや有名ブランドは最高グレードの石や貴金属を高い技術で仕上げているものがほとんどです。
後述しますがそういった素材の価値の高さによって高額買取となるケースが多い、ということがブランド価値の高いジュエリーにはより顕著です。
1-3. ノンブランドの場合
ノンブランド製品の場合は貴金属やダイヤモンドなどの石、といった素材の価値をベースに査定することとなります。
素材の価値の査定基準については、以下をご覧ください。
2. 素材に使われる貴金属の価値
ジュエリー製品の買取査定には貴金属の価値もまた大きく影響します。
一般的に価値があるとみなされ査定の対象となるのは金、プラチナ、銀の三種類となります。
とりわけ高額査定となるのは金とプラチナです。
なお、貴金属の状態はあまり影響しません。
例えば傷があったり破損したりといった、コンディションが悪い状態でも、加工することによって再び別の貴金属製品として生まれ変わるためです。
貴金属の価値判断には、「純度」「相場」が大きく関わってきます。
それぞれを解説いたします。
2-1. 貴金属の純度の査定
金やプラチナはその美しい輝きからジュエリーには欠かせない素材ですが、そのまま使うには柔らかすぎて不向きです。
そこで割り金を配合して合金とし、硬さを調整して加工しやすくします。
この割り金以外の金またはプラチナの割合を純度といい、当然ですが純度が高ければ高いほど高額査定となります。
それぞれの純度をご紹介いたします。
① 金の純度
金の純度の単位にはkarat(カラット)
が使用され、K18などと表記されます。なお、日本語ではKを金に置き換え、18金と称することもあります。
24分率が適用されます。
K24が金純度99.99%、K22が金純度91.7%、K18が金純度75%、K14が58.5%。このような要領です。
一般的に最も美しく加工できる金の純度はK18だと言われています。
また、金は割り金の種類によって色調を変化させることが可能です。
例えば銀と銅を混ぜてイエローゴールドに、パラジウムと銀などを混ぜてホワイトゴールドに、など、色味の変化を楽しむことができ、ジュエリーのデザインにも活かされます。
この割り金も素材の価値に反映されることもありますが、プラチナなど一部の貴金属のみが査定対象となることがほとんどです。
なぜなら、溶かして精製することで、金だけを取り出すことが可能なためです。
なお、ジュエリーとして加工せずそのまま再販する場合は、人気の色によって査定額が変わることはあります。
② プラチナの純度
プラチナもまた割り金をすることが一般的です。強度の面だけでなく、純100%のプラチナはやや黒っぽい白色をしているためです。
プラチナにはパラジウムなどの白い金属を割り金とすることになります。
プラチナは金と異なり1000分率で表し、単位はPtを用います。
ジュエリーなどの宝飾品には純度100%~85%の4段階が標準とされています。
Pt1000、Pt950、Pt900、Pt850が標準表記です。
ジュエリーにはPt950やPt900が使われることが多いです。
プラチナは産出量が極めて少ない稀少な貴金属で、数ある素材の中でも最高峰に位置します。
そのため、プラチナ純度が高ければそれだけ査定額も高くなるでしょう。
なお、和名が「白金」であることからホワイトゴールドと混同されやすいですが別物です。
2-3. 貴金属の相場によって変わる買取価格
金やプラチナは世界中で価値のある素材として取引されています。
中には投資目的で購入される方もいらっしゃるでしょう。
そのため需要と供給に大きく反映される「相場」が存在します。
需給は変動するため、毎日国際的な基準となる価格が発表されていることをご存知でしょうか。
しかしその国際価格はドル建てですので、ドル・円レートによる為替相場にも大きな影響を受けています。
このように日々変わる国内での金・プラチナ相場を基に、各買取店はその日の1gあたりの純度別での買取価格を決定しています。
相場自体は国内全ての業者で共有しているものです。
しかしながら「買取価格」が買取店によって異なるのは、各店で手数料が異なるため。
手数料には仲介手数料や加工費、および加工による金の目減り分や買取店の利益が含まれます。
売る買取店での貴金属分の査定額をおおまかに予想するためには、
その日の純度別の買取価格×金・プラチナの質量
この計算式に当てはめてみてください。
2-4.銀製品はどう査定される?
銀は比較的産出量が多く、安価です。
また、空気中の硫黄化合物に反応し、表面が黒ずむ性質から、年式の古い商品でしかも全くお手入れしていない状態だと、査定額が低くなってしまうでしょう。
しかしながら純銀やSv925(純度92.5%)といった銀純度の高い製品や、ティファニーのシルバージュエリーに代表される人気ブランド品であれば高額査定の対象となる場合があります。
3. 素材に使われる宝石の価値
ジュエリーと言えばダイヤモンドやサファイヤ、ルビーなど宝石がセッティングされていますね。
石が大きければ大きいほど定価は高くなるため、それに比例して買取価格が高くなる、と思われるでしょう。
それは事実なのですが、宝石は貴金属に比べて非常に査定が難しい素材です。
貴金属と違って全世界共通の基準がないこと、そして天然鉱石のため一つとして同じ個体が存在しないためです。
買取店によっては、宝石を査定対象としなかったり、石だけ返却してきたり、といったところも存在します。
そんな宝石の査定基準をご紹介いたします。
3-1. ダイヤモンドの査定
宝石の王者・ダイヤモンドの買取価格は「品質」「相場」によって決定されます。
① ダイヤモンドの品質評価基準
ダイヤモンドの品質評価は4Cによって決定されます。
「石は評価基準がない」と申し上げましたが、ダイヤモンドはGIA(アメリカ宝石学協会)によって一定の基準が設けられており、ダイヤモンド業界ではこのGIA基準を基に取引を行います。
品質評価における4Cとは、カラット、カラー、クラリティ、カットのこと。
カラット以外はそれぞれグレードによってランク分けされます。
② 査定に大きく影響する4C評価とは
4C評価に基づいて、鑑定士は以下のような項目を査定しています。
まず、カラット。
カラットは石の重量のことで、表記はCaratです。
よく大きい石=カラット数が大きいという理解がありますが、あくまで重量を指します。
1ctは0.2gにあたり、同一グレードであったと過程するとカラット数が大きければ大きいほど買取額は高くなります。
また、カラットと聞くと一粒ダイヤがイメージされますが、査定対象はジュエリーに付属された全てのダイヤモンドの総カラット数となります。
例えばパヴェセッティングされたメレダイヤなども大粒のものも全て合わせたカラット数が対象です。
次に、ダイヤモンドの色味を表すカラー。
ダイヤモンドは鉱物ですので、個体によって色味が異なります。
無色透明であればあるほど価値は高くなり、黄色味が強いほど低くなることが一般的。
一方でファンシーカラーダイヤモンドと呼ばれる、特殊な色味を帯びたダイヤモンドが存在します。
ファンシーカラーダイヤモンドは大変稀少で、グレードが高いものだと、一般の無色透明に近いダイヤモンドより2~3倍の価格になることも珍しくありません。
大きさや色の濃さによっては、10倍を超える買取額となることもあります。
しかしながら鑑定書がないと査定が難しい石の一つとなります。なぜなら、人工的に色付け処理された商品が本当に多く、熟練した鑑定士でなくてはその判断が難しいためです。
また、クラリティと言われる、石の透明度や傷の有無および程度も査定には欠かせません。
ダイヤモンドは天然鉱石のため、傷や内包物あり、その程度によってグレードが分かれます。
最もグレードの高いフローレスが内外部に傷や内包物など一切の欠点がない状態を指します。
肉眼ではほとんど見分けがつかないようなものでも、グレードによって買取価格を大きく左右します。
最後にご紹介するカットはダイヤモンドの品質で人間が唯一関われるところ。
カット及び研磨によってダイヤモンドの輝きは大きく左右されるため、価格にも大きく影響を及ぼします。
加えて、人気のカットタイプか、という査定もあります。
最も一般的でポピュラーなカットはブリリアントカット。
ブリリアントカット以外にもラウンドカット、サファイヤカット、プリンセスカットなど多彩なカットが存在しますが、ラウンドブリリアントカットに比べると80%~40%程の査定額となってしまうことが一般的です。
なお、4Cの他にフローレッセンス(蛍光性)が5段階でグレード分けされ、買取価格に影響を与える可能性があります。
③ ダイヤモンドに付属する鑑定書
きちんとしたブランドであれば購入の際、ダイヤモンド鑑定書が付属していたと思います。
この鑑定書をお持ちでしたら、必ず査定の際に一緒に持ち込みましょう。
鑑定書にはダイヤモンドのグレードが項目別に記載されています。
鑑定書がないと新たに鑑定料を査定額から引かれたり、本来のグレードより低い査定額を提示されたりする可能性があります。
ダイヤモンドの鑑定は基準があるとはいえど、経験やノウハウがないと判断しきれないためです。
もちろん熟練した鑑定士のいるお店であれば鑑定書がなくても問題ありません。
また、メレダイヤは鑑定書が付かない場合がほとんどですので、その際は鑑定士の目利きに任せることとなります。
しかしながら査定をスムーズにさせるためにも、持っていれば必ず一緒に査定に出しましょう。
④ ダイヤモンドの相場
ダイヤモンドにも金・プラチナ同様に相場が存在します。
世界的な需要や供給量を判断し、アメリカのラパポート社が「ラパポートダイヤモンドレポート」でダイヤモンド相場を発表します。
カラットやカットの品質グレードごとに価格相場を取り決めているのです。
このレポートは業者間の取引に使われるため、一般消費者には直接目に触れることは無いものの、買取業者のダイヤモンド買取額はこのレポートをもとに算出されています。
金・プラチナと異なり毎週更新となりますが、それでも変動していることに変わりはありません。
また、ダイヤモンド相場もドル建てとなります。
そのため、為替相場もまた大きく影響していきます。
このように、ダイヤモンドは品質と相場で査定が行われるのですが、どちらも一般消費者が判断することは難しいでしょう。
そのため、ジュエリーの買取にノウハウのあるお店に持ち込むことを強くお勧めいたします。
3-2.ダイヤモンド以外の宝石の査定
ダイヤモンド以外の宝石というと、サファイヤ、ルビー、エメラルドにアレキサンドライト。アクアマリンやトパーズドなど。多彩な種類が存在します。
その多彩さが手伝って、ダイヤモンドよりさらに査定が難しくなります。
当店の熟練鑑定士でも、「最も難しい」と語るほど。
なぜかと言うと、貴金属やダイヤモンドと異なり、品質基準が確立されていないためです。
透明度、照り、大きさや形と、様々な要素が査定基準となりますが、良いものであるかどうかは熟達した宝石への鑑識眼がなくては見抜けません。
ちなみに宝石に鑑別書が付属することがありますが、これはグレードや質を表記したものではなく、石の種類や起源を証明するためのものです。
さらに質に加えて、宝石にもニーズに左右される相場があります。
しかし、種類が豊富なため一つ一つの石に対して公的機関が相場を公表しているということはありません。
「この石の質なら、業者間での取引価格は現在このくらいだろう」という、普段宝石の仕入れや売買に携わっている者でなくてはわからない相場観が必要なのです。
4. 宝石付きジュエリーの査定内訳一覧
ここまでご紹介したジュエリーの査定内訳をまとめてご紹介いたします。
① ブランド価値
⇒ハイブランド、有名ブランド、有名デザイナーが手掛けたジュエリーか?
そうであればコンディションや中古市場における人気、付属品の有無を査定。
② 貴金属の素材の価値
⇒金またはプラチナの純度はどれくらいか、現在の金・プラチナの相場はどのくらいかを査定。
③ 宝石の素材の価値
⇒ダイヤモンドであれば、4Cそれぞれのグレード及びダイヤモンドの相場を査定。色石であれば質、市場における人気、そこから判断する相場を査定。
このような要素によって、最終的な査定額が決められることが一般的です。
5. 宝石付きジュエリー高額買取のためにはまずお店選びから
上記の査定内訳や基準は、あくまで「熟練した鑑定士」が常駐する「優良買取店」であった場合です。
前述の通り、宝石の見極めに自信がないため、石だけ返却する。もっと悪質な業者だと石を返さず何食わぬ顔で貴金属のみ査定した金額で丸ごと買い取ろうとするようなところも存在します。
また、ブランド価値を知らない買取店というのも実はあります。
知っていてもブランドジュエリーを上手にさばけないため、本来付加されるべきブランド価値を無視して素材のみ査定する、といった業者もあるのです。
そのため売却の際は、宝石付きジュエリー製品の買取にノウハウのあるお店を選択しましょう。
一つの指標として、ジュエリーを積極買取していたり、買取実績を公表していたりするお店が優良店の可能性が高いです。
また、査定は一社に決めず、何社か持ち込んで納得のいく査定額で売却しましょう。
当店では店頭へのお持ち込みや宅配買取はもちろん、LINE査定やWEBでの簡単査定を行っておりますので、ご自宅からお気軽にお申込みくださいませ。
6. まとめ
宝石がセッティングされたジュエリー製品の買取査定の内訳を紹介いたしました。
まずはブランド価値、そして貴金属や宝石など素材の価値が査定対象となりますが、その中でも市場のニーズや純度・グレードなどどのような素材か、などを総合的に判断し査定額をお出ししております。
そうは言っても、ジュエリー買取を豊富に行ってきた業者じゃないときちんと価値を判断されない可能性があります。
ジュエリー買取にノウハウがあり、かつ実績のあるお店を選びましょう。
当店ではジュエリーを常時積極買取しております。宝石付きジュエリーのご売却でお悩みの場合は、ぜひ一度お問合せください。