グランサンクの一つ。歴史的著名人らが愛したショーメとは?
グランサンクの一つに名を連ねるショーメ。極上のジュエラーとして高名です。
1780年創業と非常に長い歴史の中で、ナポレオン1世の皇后ジョゼフィーヌを始め、銀幕のスターや大女優らから愛され続けてきました。
近年では日本市場でも知名度と人気を高めており、「結婚指輪はショーメ!」と決めている女性も多いのではないでしょうか。
この記事では、ショーメがどのようなブランドか、またショーメの人気コレクションについて解説致します。
1.ショーメとは?
①ABOUT
設立年:1780年
創業者:マリ=エティエンヌ・ニト
本社:フランス・パリ
現CEO:ジャン・マルク・マンスフェルト(2015年1月~)
事業:ジュエリー、腕時計の製造・販売
②歴史
1780年、フランス パリ サントノーレ通りで宝石店をスタートさせたマリ=エティエンヌ・ニト。もともとマリー・アントワネット御用達ジュエラーであったアンジュ=ジョゼフ・オペールに師事していた経歴もあり、マリ=エティエンヌ・ニトが王室御用達となったのも納得ですね。
19世紀に入るとジュエラーとしても名を馳せていくこととなり、ナポレオン1世御用達として、名作の数々を輩出していきました。
ナポレオン1世の戴冠式の剣と教皇ピウス7世のティアラの注文制作を息子や金細工職人らと共同で手掛けたことからも、その手腕のほどが伺い知れるのではないでしょうか。
この手腕が見込まれたことで、皇后ジョゼフィーヌの御用達ジュエラーに任命されます。
ナポレオン1世の最初の妻として寵愛を一身に受けていた皇后ジョゼフィーヌは当時ファッションリーダー的存在としても知られており、そんな彼女の目に留まるジュエリーを製造できたのもマリ=エティエンヌ・ニトの功績ですが、彼自身もまたジョゼフィーヌから多くのインスピレーションを受けて製品に落とし込んでいたと言われています。
マリ=エティエンヌ・ニト。は1809年に他界し、息子のフランソワ・ルニョが後を受け継ぎ、パリ ヴァンドーム15番地に店舗を移転します。
その後、世相の混乱で一時休眠状態に陥るも、エトの遺志を継ぐジャン=バティスト・フォッサン(現ショーメの経営権が状タオされていた)とジュール・フォッサン、次いでヴァランタン・モレルとプロスペール・モレルらによってメゾンは連綿と続いていくこととなります。
1885年にジョゼフ・ショーメが「ショーメ」の屋号としたこと。また1907年、現在にも続くパリ ヴァンドーム広場12番地に氏が拠点を移したことから、メゾンはいっそうの輝きを増していきます。
19世紀はイギリスを中心とした産業革命によって経済が飛躍的に発展したり、南アフリカでダイヤモンドラッシュが始まったりと言った社会情勢が、ジュエリーにも大きく影響した時代です。
世相を受けて欧州のジュエリーは華やかに、そして多彩さを呈していきました。フランスの古き良き時代、ベルエポックですね。ショーメは自然をモチーフにしつつ、創造性豊かなデザインのジュエリーを作り込んでいき、この黄金時代の波に乗っていくこととなりました。
また万国博覧会をきっかけにジャポニズムが流行していたことからショーメでも日本の美をインスパイアした製品群をラインナップしていきます。
②パリ ヴァンドーム広場のショーメ本店
パリ ヴァンドーム広場は、ショーメにとって特別な場所です。
そもそもグランサンクは、パリのヴァンドーム広場を拠点とするジュエラーのことです。パリ五大ジュエラー,パリの五大宝飾店などと称されることもあります。ここに名を連ねているのが「ヴァンクリーフ&アーペル」「ブシュロン」「メレリオ・ディ・メレ―」「モーブッサン」そして「ショーメ」です。なお、このグランサンクの概念は日本固有のものと言われています。
ではヴァンドーム広場とは、いったいどのような場所なのでしょうか。
ヴァンドーム広場は1685年に買収され、広場建設が始まりました。当時はルイ14世の栄光を称えるための広場であり、中心にはルイ14世のブロンズ騎馬隊が据えられました(フランス革命時に取り壊し)。
ヴァンドーム広場は長方形となっており、また建築物も規則的であることから、さながら宮殿のような様相を呈しています。
現在ではハイメゾンのブティックが立ち並ぶエクスクルーシブな空間としても知られていますが、最初にこの地に店を構えたのは1893年のブシュロンと言われています。その後カルティエ、ショーメ、ヴァンクリーフ&アーペルなどが続き、名門が続々と立ち並んでいきました。
前述の通りショーメは本拠地を、ヴァンドームの12番地に構えています。ちなみに15番地時代の工房は、後のリッツ・パリ(高級ホテル)です。
現在のショーメ本店は、もともと18世紀初めに建築されたオテル・パルティキュリエ邸宅となります。ショパンやナポレオン3世皇后のウジェニーが居住した邸宅と言われており、1927年にフランスから歴史的建造物として指定された「ル・グラン・サロン」というVIPルームが残っています。
2020年、ショーメ創業240周年のこの節目の年には、改装を経てリニューアルオープン。旗艦店としてはもちろん、ショーメの文化遺産や顧客、サヴォワールフェール(培ってきたノウハウや技巧のこと)の一大集結地であり、発信地ともなっています。
③現在のショーメ
1987年に一度倒産するものの、その後バーレーンの投資銀行インベストコープによって買収。そして1999年にLVMHグループが吸収することで、ショーメの名と技術、そして伝統は今なお受け継がれていきます。
近年ではアジア市場での成長が顕著となっており、日本でも東京などに11の店舗を構えています。
ちなみに世界でのショーメの店舗展開は80以上とのこと。
ハイメゾンとしては珍しくWEB販売にも力を入れており、今後もますますその認知度を高めていくことでしょう。
2.ショーメの人気コレクション
240年の歴史によって培われた、ショーメの美しいジュエリーコレクション。
細部までこだわり抜かれた高い作り込み、厳選したうえでセッティングされる貴石、そして卓越したデザイン性は、ショーメが競合他社と一線を画す大きな理由ともなっています。
本項では、ショーメの人気コレクションについてご紹介致します。
①ジョゼフィーヌ
ショーメのお得意様でもあり、高度なセンスと審美眼から当時のフランスのファッションリーダー的存在でもあった皇后ジョゼフィーヌに敬意を表した一大コレクションがこちらです。
ジョゼフィーヌが身にまとったティアラやエグレット(帽子やターバンにつける羽根飾りのこと)をモチーフとしており、華やかでエレガント。ブライダルでも当コレクションは展開されており、ショーメのアイコンであると同時に大変高い人気を誇ります。
②リアン
フランス語で「絆」を意味するリアンは、文字通り人と人との結びつきをジュエリーで表現したコレクションです。
愛する人と自身を繋ぐ一本の糸に見立てられたジュエリーは、ブライダルはもちろん友人・ご家族へのプレゼントとしてもお勧めです。
製品にもよりますが10万円台~購入できるものもあるので、初めてのショーメにもうってつけではないでしょうか。
③ビーマイラブ
ミツバチの巣をモチーフに、さらに太陽のような輝きを称えるコレクションがビーマイラブです。
丁寧なポリッシュ仕上げによって燦然と輝くビーマイラブは、さりげなく身に着けていても存在感は圧倒的です。
お気に入りのジュエリーはとかく私たちに元気をくれるものですが、ビーマイラブであればその点は抜群の効果を発揮してくれますね。
④ウォッチコレクション
近年ではジュエラーも腕時計製造を手掛けることが珍しくありませんが、ショーメは非常に早い段階からこの事業に取り組んでいました。
既に19世紀には装飾用途の腕時計を作成しており、また1970年にフランスの名門時計ブランド・ブレゲの経営権を取得し、再興に尽力したことは時計業界では有名です。
1990年代に入ると女性向けにラインナップを拡充していき、まるでブレスレットのようなケイシスでヒットを飛ばしました。
2003年にはショーメ初となるメンズライン・ダンディを発表。
現在では宝飾ブランドでありながらクロノグラフやトゥールビヨンといったコンプリケーションをも手掛けており、市場での存在感をますます高めています。
また、上記以外にも クラスワン や トルサード や アトラップシリーズも人気です。
独創的で美しいデザインはショーメの魅力ですね。
3.ショーメの価格と買取情報
ショーメはその作り込みの高さ・素材の上質さがゆえ、決して安いということはありません。
製品の定価は10万円台〜、ハイエンドとなると数千万円超となることもあります。
また中古であっても価格が落ちづらく、状態やコレクションにもよりますが、~30万円程が実勢相場の参考値となります。
一方で資産価値が高いことも、ショーメの魅力です。
ステータス性のあるハイブランドであること。市場で人気があること。また極上の素材を使っていることから、当店グリーバーではショーメ製品を高額買取させて頂いております。
近年ではコロナ禍の影響で宝飾市場・中古市場もジワジワと盛り上がりを見せておりますので、売り時といった見方もあります。
ぜひお使いになっていないショーメをお持ちであれば、査定だけでもグリーバーに出してみませんか?
4.まとめ
ショーメについてご紹介致しました。
ショーメは1790年に産声をあげ、ナポレオン1世やその皇后ジョゼフィーヌの御用達として欧州を中心に名を馳せていったこと。パリのヴァンドーム広場を本拠に、この地を愛し、この地を代表するグランサンクとして数え上げられていること。
ジュエリーのみならず腕時計事業でも頭角を現しており、メンズラインはもちろんコンプリケーション等も手掛ける手広いブランドであること。こういった背景から人気が高く、価値の落ちづらいブランドであることをお伝えできたでしょうか。
王侯貴族が愛し、パリ ヴァンドーム広場を代表するショーメは、今後も市場での存在感を高めていくことでしょう。