結婚指輪はなんとなくイメージつくけど、婚約指輪ってどんなものだろう?そんな疑問を持ったことはありませんか?
確かに結婚指輪の方がブライダルリングの中ではメジャーですが、実は婚約指輪も同様に奥深い歴史、そして意味を持っており、これから幸せになるカップルにとって大切な贈り物の一つとなります。
そこでこの記事では、婚約指輪とはどのようなものか解説するとともに、相場傾向や資産価値について徹底ガイドいたします!
1. 婚約指輪とは?
婚約指輪とは、結婚の約束をする時、男性から女性へ贈る指輪です。
英語ではengagement ringと呼ぶことから、エンゲージリングと言った呼称もあります。
贈る時期などに決まりはありませんが、基本的にはプロポーズの時が多いでしょう。毎日身に着けるものが結婚指輪、特別なお出かけやシーンで身に着けるのが婚約指輪。これがそれぞれの指輪の、もらった後の役割となります。
2. 婚約指輪の歴史と贈るようになった背景
愛し合うカップル同士で指輪を贈り合う風習は、古くから存在していたようです。
古代エジプトでは指輪の円環を「途切れない愛」、中央の穴を「将来への扉」の象徴とし、結婚の際に贈り合うものとして定着していました。
現在のように、左手の薬指に着用されていたようです。エジプトでは左手薬指の血管は心臓へと繋がっている、と信じられており、身体の中でも大変重要視されていた部位であったことが関係しているのでしょう。
その後ローマ帝国へと伝わり、「婚約時に相手に贈るもの」としての意識が普及します。これは、古代ローマにおいては結婚よりも、花嫁の家族から結婚の了承を得、結婚を確約することが重要視されていたため。結婚指輪ではなく、婚約指輪として意義深い儀式となりました。なお、婚約指輪発祥当時のエジプトでは麻や葦が素材として用いられましたが、ローマでは鉄製リングに変化していきます。
その後婚約指輪は、ヨーロッパの貴族たちを中心に根付いていくこととなります。
記録として残っているケースもあり、例えばダイヤモンドの婚約指輪を最初に送ったのは、1477年、オーストリアのハプスブルク家マキシミリアン大公だったと言います。マキシミリアン大公は後の神聖ローマ帝国皇帝で、その後のハプスブルク家の栄華の礎を築いた人物です。
当時フランス東部~ドイツ西部に存在したブルゴーニュ公国のマリー姫に対し、甲丸指輪にダイヤモンドでM字をかたどったエンゲージリングを贈りました。甲丸指輪はかまぼこ指輪とも呼ばれ、断面が半円状になった婚約指輪の定番のようなものです。その後1554年にイギリスのメアリー女王とスペインのフェリペ2世の結婚式でも採用されたという逸話が残っていることから、既に現代に続くブライダルリングの「王道」が存在していたことがわかりますね。
一方で1840年、後のザクセン公(ドイツ中部に存在した領邦国家)となるプリンス・アルバートが、イギリスのヴィクトリア女王との結婚式で用いたのはエメラルドがついたスネーク・タイプのリング(らせん状になったリング)であったことから、やはり今と同じく婚約指輪・結婚指輪のスタイルに厳格な決まりというものは無かったのでしょう。
日本に婚約指輪が広まったのは1950年代後半頃からです。
結婚指輪は明治時代に輸入され、大正時代には庶民でも認知度が高まっていたようですが、婚約指輪は第二次世界大戦後となります。
高度経済成長期に差し掛かり、国民の生活に余裕が出てきたこと。従来は制限されていたダイヤモンドの輸入が1961年に解禁されたこと。デビアスを代表する、ダイヤモンド販売会社が意欲的に販促を行ったことなどから、急速に広まり、今では結婚指輪とセットで考えられることが一般的となりました。
3. 婚約指輪の意味
よく「婚約指輪は贈らなくてはダメ?」といったご質問をいただくことがあります。
確かに結婚指輪はマストだけれど、婚約指輪は毎日着けるものでもないし、価格帯も高くなる。必要でなければ避けたい、という本音をお持ちの彼氏もいらっしゃるかもしれませんね。
これから結婚でお金がかかるので、無理はしないのが一番です。また、気持ちの問題ですので、今すぐに贈らなくても、結婚後落ち着いたら改めてジュエリーをプレゼントする、という手もあるでしょう。
でも、実は婚約指輪には、結婚指輪とは異なる、きちんとした意味があります。必ずしも贈らなくては、というものではありませんが、ぜひこの意味を知っておきましょう。
大きく分けると三つになります。
まず一つ目は、婚約を形として残す、という意味。まだ婚約届を出していない状態のお二人は、法的に繋がりはなく、なんとなく宙ぶらりんの状態です。そこで婚約指輪で固い繋がりを作ることで、絆をより強固にすることができます。もっとも、「贈ってしまったからもう後戻りはできない!」といった戒めにしている方もいらっしゃるようです。
二つ目は、婚約指輪を左手の薬指に着用するのは、「服従と信頼」の証であるためです。これは、何も「女は男に黙ってついてこい」というものではありません。先ほど古代エジプトのくだりでもお話しましたが、左手薬指は人々にとって特別な指です。それ一本では弱くて何もできません。だからこそ、そこに二人の愛と絆の象徴を着用することでお互い助け合い、お互いの人生を一つにし、運命を享受していく、という意味を持つのです。
三つ目は財産になる、というもの。
結婚指輪や婚約指輪は共有財産ではありません。永遠に花嫁のものとなります。
そのため、万が一離婚した、あるいは夫に何かあった場合でも、きちんとした上質な指輪を所有していれば、買取店に売却して資金とすることができます。
もちろん何もないのが一番です。そんな時でも、子々孫々へ受け継いでいける家宝としての役割を持つでしょう。リサイズやリフォームをしたり、定期的にメンテナンスを行ったりすれば、婚約指輪は永遠の輝きを放ってくれます。
4. 婚約指輪の相場傾向
ブライダル関連の相場はピンキリです。年代や地域、結婚プランによっても異なるためです。
大体の目安をお伝えすると、婚約指輪は20万円台~30万円台、結婚指輪は二つで20万円台~となります。
とは言えカルティエやブルガリ、あるいはハリーウィンストンなどと言った、海外の人気ブランドにしたい。ダイヤモンドを大きくしたい。フルオーダーメイドにしたいなどがあると、値段はもっと高額になります。
またその逆に、10万円前後の、お手頃価格の婚約指輪をラインナップしているブランドもあります。
ただ、かつて言われていた「給料の三か月分」はもう定着していません。
そもそもこのキャッチフレーズも、デビアスの販促活動の一部であるためです。
現在では、大体給料の一か月分ほどが定着しつつあるようです。
5. 婚約指輪の人気ブランドは?
婚約指輪の人気ブランドは国内外で多岐にわたります。やはりブライダル製品はジュエリーブランドにとっては花形。そのため力を入れているところも多く、有名どころはどれも素晴らしい製品ばかりで迷ってしまいますね。
海外の代表的な人気ブランドとして挙げられるのは、まずキング・オブ・ダイヤモンドと称される最高峰のハリーウィンストン。北川景子さん×DAIGOさんカップルの2カラット・1千万円超えと言われた婚約指輪は世間を騒がせましたね。同じくニューヨーク発のティファニーも王道です。
ヨーロッパに目を向けると、パリの「グランサンク」(ヴァンクリーフ&アーペル、ショーメ、ブシュロン、モーブッサン、メレリオ・ディ・メレ―)やティファニーと並んで宝飾BIG3に数え上げられるカルティエ、ブルガリが著名です。とは言え今挙げたブランドは、お値段もなかなかお高めです。
もう少しコスパ重視で、でも有名ブランドのものが欲しい。そんな方々から支持を集めているのがラザールダイヤモンドです。価格帯は20万円台~、と、決して安くはありませんが、ラザールダイヤモンドは世界三大カッティングブランドの一つ。ラザールにしか出せない輝きが製品特徴で、また、虹色にきらめくファイヤーが楽しめることも魅力です。もともとはニューヨーク発ブランドですが現在ではアイプリモを経営するプリモ・ジャパン傘下となったことから、日本国内に店舗展開が増えたのも嬉しいところ。
また、日本発ブランドの存在も外せません。
リーズナブルな製品も扱う4℃やアイプリモ、スタージュエリー。日本の美を感じられる俄(NIWAKA)やラインナップが非常に豊富なダイヤモンド シライシなどが幅広い年齢層から人気を集めています。
6. 婚約指輪はどこを見る?選ぶ時のポイント
いざ婚約指輪を購入しようと思った時、どこを見て決めていますか?
普段ご自身用のジュエリーアクセサリーをご購入されている彼女ならまだしも、彼氏の方はサイズも素材もよくわからないなんてことがありますよね。
そこで、婚約指輪を選ぶポイントをご紹介いたします。
① サイズは?
一番悩みやすいところはここですね。彼女の指のサイズをご存知ない方もいらっしゃるでしょう。
指輪のサイズを表す記号は♯、そして数字の号数が用いられます。
6号であれば内周46.1mm、内径は14.7mm
7号であれば内周47.1mm、内径は15mm
8号であれば内周48.2mm、内径は15.4mm
9号であれば内周49.2mm、内径は15.7mm
10号であれば内周50.3mm、内径は16mm
11号であれば内周51.3mm、内径は16.4mm
12号であれば内周52.4mm、内径は16.7mm
以上が主要な指輪の号数一覧です。
平均的な女性のサイズは8号~12号で、体格によってある程度傾向はありますが、当然ながら指のサイズには個人差があります。
また、婚約指輪はセンターダイヤモンドが大きいためぴったりしたものでないと、指輪が回ってしまいがちです。
そこで、彼女の指のサイズを測りたいところですが、サプライズで用意している。そんな方はこっそり測るしかありません。でも、正確な数値が出づらかったり、時間帯によってむくみなどで変化したりする可能性があります。
彼女に直接聞くか、ジュエリーショップの店員さんに相談してみましょう。購入後のお直しを無料で行っている場合があります。
② デザインは?
結婚指輪と異なり、婚約指輪はデザインの楽しさも嬉しいところ。カルティエのトリニティやブルガリのビーゼロワン、俄(NIWAKA)の和テイストなど様々なラインナップが用意されており、選ぶ楽しみも増えますね。
とは言え基本スタイルと言うのがあります。その根幹をなすのがリングシェイプです。
リングシェイプのラインナップとしては、ストレート、ウェーブ、V字カットの三種が定番です。ストレートはシェイプがまっすぐ平行になっているタイプ、ウェーブはリングの一部または全体が湾曲しているタイプ、V字カットはセンターダイヤモンドに向かってV字に切り込みが入れてあるタイプです。
タイプによって着け外しのしやすさ、指が細く見えるかどうかなどが変わってきます。彼女に合った一つを選ぶためにも、普段彼女が使っているリングをチェックしてみると良いでしょう。
なお、結婚指輪と婚約指輪を重ね着けする、というスタイルもあります。
上質な指輪が重なった様は、上品でありながら存在感が抜群。
今ではセット着用が前提となった製品も多くのブランドから打ち出されています。
③ ダイヤモンドのセッティング方法は?
センターダイヤモンドが一粒セッティングされた王道スタイルはソリティアと呼ばれます。1890年、一粒石を最も美しく見せる方法として、ティファニーが提唱しました。6本の爪によってダイヤモンドを高く持ち上げて、サイドからも光を取り込める仕様になっていることが特徴です。ちなみに現在は爪なしタイプや爪の数が少なくなったもの、ユニークなものなど派生型も存在します。
ジュエリーに詳しくない男性の皆さんは、婚約指輪と聞くとソリティアが思い浮かぶでしょう。
でも、実はダイヤモンドのセッティング方法にもいくつかの種類があります。
ソリティア以外では、パヴェ、エタニティの二種が有名です。
パヴェはフランス語で「石畳」を意味する、ダイヤモンドを使った装飾技法です。リング部分に小さな石を複数個埋め込んだようなセッティングが特徴的。ソリティアはダイヤモンドが突き出ており、どこかにぶつけてしまいそう。そんな不安がある方は、パヴェダイヤのみのタイプをお選びいただくことがお勧めします。もちろん寂しいなんてことはありません。規則正しく並んだダイヤモンドたちが、あちこちで光を輝かせており、そのきらめきはセンターダイヤモンドとは違った魅力です。
とは言えやや値段が高くなること、サイズ直しができない場合があることは注意しておきましょう。
エタニティは同じサイズ・カットのダイヤモンドをリング状に並べたセッティング方法です。リングを一周するフルエタニティ、半周のハーフ・エタニティとがあります。
リングを取り巻くダイヤモンドが「終わりのない愛」を示唆しているとあって、大変人気の高いスタイルです。とは言えパヴェダイヤ同様、ハイエンドラインの位置づけにはなります。
④ リング部分の素材は?
日本ではリング部分はプラチナが圧倒的に人気です。
プラチナは安定した素材で、耐食やサビに強いという特性を持つこと。産出量がきわめて少なく稀少であること。また、ゴールドなどとはまた違った、白みを帯びた輝きが純真無垢さを感じさせることから選ばれ続けてきました。
確かにプラチナは上品な美しさを持つうえ末永く愛用していける品質ですので、一生をともにする婚約指輪や結婚指輪では、お勧めの素材と言えます。
なお、ゴールドもプラチナ同様に安定性があり、変化の少ない貴金属です。
同じく合金を行いますが、純度はK18(金の含有率75%)がハイブランドでは一般的に採用される含有率となります。
ピンクゴールドやイエローゴールドの婚約指輪も少なくありません。普段使っているゴールドアクセサリーとの親和性を考慮し、ゴールドリングが良い、という女性もいらっしゃいます。
⑤ ダイヤモンドじゃなくちゃダメ?
ダイヤモンド=ブライダルリングにふさわしい貴石。
これまたデビアスが広めた概念ですが、地球上で最も硬い天然鉱物であることは「確かな絆」を、純真無垢な輝きが「ヴァージンロード」を連想させるとあり、ブライダルにとてもマッチした宝石だとも言われています。
他の鉱石に比べて変化が少なく、傷つきづらいことなどからユーズド品であってもリセールバリューが高い、というメリットもあります。
とは言え、前述の通り婚約指輪に決まったルールはありません。
サファイヤ、ルビー、エメラルドといった色石、あるいは最も格式高い貴石と言われる真珠などを婚約指輪にしても良いでしょう。美しくも個性的な雰囲気を楽しめます。
気をつけたいのが、多くのブランドのブライダルラインはダイヤモンドである、ということ。そのためオーダーメイドとなる可能性が高く、予算オーバーする場合もあります。事前にショップのスタッフによく相談してから検討しましょう。
7. 婚約指輪。高額買取してもらうコツとは?
婚約指輪や結婚指輪を売ってもいいの?そもそも売れるの?
こんな疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、答えはどちらもYESです。
まず、婚約指輪と結婚指輪は妻の所有物となります。そのため売却に夫の許可は必要なく、「返してほしい」などと言われた場合も応じる必要はありません。
そして、婚約指輪は売れます。
もちろん条件やコンディションにもよりますが、以下を満たしていれば高額査定となる可能性が高くなります。
①グレードの高いダイヤモンドを使用していること
②純度の高いプラチナまたはゴールド素材が使われていること
③人気ブランドの人気ラインであること
グレードとは、4C評価と呼ばれるダイヤモンドの品質基準のことです。カット、カラー、クラリティ、カラットを評価したものですが、いずれもグレードが高ければ高いほど稀少なダイヤモンドで、買取査定額は高くなります。購入時に付属してきた鑑定書と一緒に査定に出しましょう。鑑定書をなくしてしまった場合は、信頼できる鑑定士がいる買取店を選ぶようにしてください。
リングの素材も同様で、合金の多いものよりも、Pt950あるいはK18といった高純度の製品はより高い値づけがされます。
なお、プラチナとゴールドは鋳つぶして再利用することができるため、傷やゆがみは価格に影響を及ぼしません。刻印があっても問題ありません。ただし、ダイヤモンドは万が一傷ついていたり、割れていたりした場合は大幅減額の対象となります。
人気ブランドの人気ラインであれば、素材の価値ではなくブランドの付加価値がしっかり査定に反映されます。
ハリーウィンストンやカルティエ、ブルガリ、ヴァンクリーフ&アーペルなどのハイブランド。あるいは人気ブランドだと売りやすいと言えるでしょう。この場合、目立つ傷やゆがみがなく、再販できるようなコンディションであること。標準サイズ(9~12号)であることなどが査定基準に大きく影響します。
鑑定書の他、ギャランティ(保証書)や付属のボックスもあれば一緒に査定に出してください。「メーカー付属品」として、査定額に色が付く可能性があります。
とは言えブライダルリングの中古相場は決して高くありません。まず最初の販売価格である定価が高いという理由が大きく、中古で買いたいというニーズが少ないため、使用されている金属とダイヤモンドの大きさとクラスによる単純な価格になりやすいからです。
しかしながら素材の価値はしっかり査定されます。繰り返しになりますが、ダイヤモンドやプラチナ、ゴールドなどは安定性が高く、経年による劣化が少ないため、二次流通市場に流して利益を得ることができるためです。その上で、ハリーウィンストンやカルティエなどのトップブランドであれば付加価値もついた査定となります。
婚約指輪がいらなくなって、そのまま捨ててしまうのはもったいないです。一度買取店に査定に出してみましょう。思わぬ高額査定が出るかもしれません。
なお、高額買取の一番のコツは、ジュエリー専門の、信頼できる買取店に、複数社査定してもらう、というものとなります。
現在はLINEで気軽に、あるいはホームページ上から簡単に査定依頼を出すことができます。気になる方は、ぜひ一度お問合せください。
8. まとめ
婚約指輪について、その意味や歴史、相場傾向。サイズや素材、デザインといった選び方。婚約指輪の買取についてご紹介いたしました。
婚約指輪は結婚指輪とはまた違った意味・意義があります。二人のこれからの幸せのために、ぜひ最高の一つに出会ってくださいね。