ダイヤモンドがセッティングされたリング、ネックレスにイヤリングなどのジュエリーや腕時計は、数あるアクセサリーの中でも大変人気の高いアイテムです。
ご自身で購入されたものに、後からダイヤモンドを追加された方もいらっしゃるかもしれません。
こういった装飾の一部としてのダイヤモンドは、いったいどのように評価されるのでしょうか。
ブランドやデザインでの評価?
はたまたダイヤモンドの品質そのものの評価?
疑問に思う方も多いでしょう。
そこで今回は、腕時計やジュエリーにセッティングされたダイヤモンドの評価と、その買取についてご説明いたします。
1.腕時計やジュエリーについているダイヤモンドはどのように評価されるのか
セッティングされたダイヤモンドの評価は、腕時計とジュエリーによって異なります。
それぞれのアイテムごとに解説いたします。
①時計についているダイヤモンドの評価
ハリーウィンストンやカルティエなどのジュエラーのみならず、パテックフィリップやロレックス、オメガなど老舗時計メーカーでもダイヤモンドをセッティングしたモデルが数多くラインナップされています。
ダイヤモンドが一気に腕元を華やかにしてくれる、最上級の装飾品であることは腕時計でも変わりません。
しかし、ダイヤモンドの品質という点ではジュエリーに比べるとあまり重視はされず、「その腕時計がどこのブランドか」ということが評価に大きく関わってきます。
と言うのも、ある程度の品質のダイヤモンドを使用する時計メーカーのほとんどはネームバリューのあるハイブランドで、そのブランド自体の人気や相場で評価が決まることがほとんどだからです。
一方でダイヤモンド選定に力を入れたり、時計であってもきちんとダイヤモンドの鑑定書を付属したりするブランドが増えつつあり、そういったモデルは人気も相場も高いので当然評価が高くなります。
また、腕時計がコピー品でないかどうかの真贋を見極めるために、使用されたダイヤモンドやゴールドの材質鑑定に力を入れる買取店も存在します。
②リングやネックレス、イヤリングやピアスなどジュリーにセッティングされたダイヤモンドの評価
腕時計と同じく、ハリーウィンストンやヴァンクリーフ&アーペル、カルティエなどのハイブランドであればブランドバリューが付きます。
有名なデザイナーが手掛けたものであればその分の付加価値も評価されるでしょう。
しかしながら腕時計と異なることは、素材の品質そのものが大きく評価されること。
リングやネックレスなどの土台となる貴金属を始め、セッティングされたダイヤモンドの品質が重要視されます。
このダイヤモンドの品質評価は、GIA(米国宝石学会)が定めた「4C」評価に基づいて行われており、現在市場に出回っているダイヤモンドはこの4Cで判定・評価されたものとなります。
では4Cが何かと言うと、カラット(重量)、カット(研磨された状態・プロポーション)、カラー(色)、クラリティ(透明度)を示します。
それぞれを解説いたします。
・カラット(重量)
カラットとは、石の重さのこと。このカラットでダイヤモンドを選ばれる方も多いでしょう。
1カラットは0.2g。
石の大きさと混同されますが、単体であっても複数であっても、トータルの重量によってカラット数は決定します。
リングやネックレスにメインのダイヤモンドの他、小さなパヴェダイヤモンドなどが備わっていた場合、その全ての重さがカラットとして評価されます。
・カット
ダイヤモンドは「輝き」が命ですが、それを大きく左右するのがカットです。
研磨を指し、人間が唯一ダイヤモンド評価に関わる要素と言われます。
プロポーションや対称性の他、仕上げの美しさや技術力が評価され、上から順に
エクセレント、ベリーグッド、グッド、フェアー、プアーの5つにグレード分けされます。
また、カットは評価の他にいくつかの種類があります。
57面または58面体を持ち、最もダイヤモンドの輝きを引き出す理想のプロポーションと称されるブリリアントカット。
リングやネックレスに並べてセッティングするのに適した四角形のプリンセスカット。
品のあるステップカット(エメラルドカット)などが挙げられます。
一般的にブリリアントカットが高い価値を持ちますが、カラット始めその他の要素やジュエリーだと土台の金属なども評価対象となるため、他のカット技法だからと言って買取査定額が必ずしも低いとは限りません。
・カラー(色味)
カラーは色味のことです。
よくダイヤモンドは無色透明だと思われがちですが、実は個体によって色づいており、黄色味を帯びていることがほとんど。
このカラーにもグレードがあり、最高ランクDからZまでアルファベット順に分類され、D、E、F、G、Hランクが上質とされています。(Nカラー以下は、アンダーN と表記され、イエローダイヤモンドとして評価されます。)
ちなみになぜAから始まらないかと言うと、GIAがかつて乱立していたアルファベット順や数字順などのダイヤモンド評価と一線を画すために、これまでにないDから始まる新たな評価基準を打ち立てたと言われていますが、それ以外にも様々な説があり、理由が明確にされていないという不思議な点も持ち合わせています。
色味は黄色味が濃いものはあまり好まれませんが、明らかにブルーやピンクなどに色づいたファンシーカラーダイヤモンドと称される個体は、別評価がなされ高い価値を持ちます。
・クラリティ(透明度)
クラリティは、ダイヤモンドのインクルージョン(内包物)の程度を指します。
内部の不純物だけでなく、カットの際に発生した傷や摩耗などを含めて評価が行われます。
最高品質のフローレス(F)やインターナリーフローレス(IF)を始め、11段階にグレーディング。
クラリティ等級の低いダイヤモンドであれば肉眼でも内包物の発見ができますが、一般的には熟練した鑑定士であってもルーペで査定をします。
そんなすぐにはわかりづらい瑕疵であるにもかかわらず、ダイヤモンドの価値や評価に与える影響は小さくありません。
なお、クラリティが低評価であっても、リングやネックレス、イヤリングやピアスなどのジュエリーとして多く使用されています。一般的なジュエリーのダイヤモンドの大きさですと肉眼で内包物が目立たない事がその理由です。
もちろんそういったジュエリーは値段もお手頃ですのが、売却時の評価は低くなります。
GIAが定め、現在最も基本的なダイヤモンド評価となる4Cを簡単に説明いたしました。
なお、鑑定機関で評価されたダイヤモンドには「鑑定書」が付属し、4Cそれぞれのグレードが表記されています。
2.腕時計やジュエリーについているダイヤモンドはどのように買取されるのか
では、実際の買取の際には、どのように評価され買取査定額が決定されるのでしょうか。
また、買取店によって、違いがあるのでしょうか。
①腕時計についているダイヤモンドの買取
前述のように、腕時計はダイヤモンドの品質と言うよりもブランドそのものの評価や、現在そのブランドがどのくらいの相場なのか、ということが買取査定に大きく関わってきます。
しかしながらダイヤモンドなど宝石の買取に力を入れているお店であれば、腕時計にしろ、ジュエリーにしろ、買い取ったものの転売ルートを確保している可能性が高く、ダイヤモンドの品質によっては色を付けてくれるところもあります。
②リングやネックレス、イヤリングやピアスなどジュエリーにセッティングされたダイヤモンドの買取
リングやネックレスなどのジュエリーの買取には、ブランドやデザイン、土台の貴金属と併せてダイヤモンドの品質・評価も大きく関わってきます。
大切なダイヤモンドジュエリーを適正価格で買い取ってもらうためには、それぞれをきちんと評価してくれる買取店を選ぶことが重要。
この買取店選びで抑えておくべき3つのコツをご紹介いたします。
・宝石専門の買取店を選ぶこと
まず最も基本的なことは、宝石専門の買取店を選ぶこと。
質屋やリサイクルショップなどでも買取を行っていますが、ダイヤモンドに関するノウハウや専門の鑑定士がいないことがほとんどです。
ダイヤモンドの評価は知識を持った鑑定士がルーペでのぞいてみないと判別がつけられないもの。
前述したようにある程度の基準は4C評価が定まっていますが、それを知らない・判別の仕方がわからないお店に当たってしまうと、リングやネックレスなどのジュエリーブランドや土台の貴金属のみで査定額が決まってしまいます。
・熟練した鑑定士が常駐する買取店を選ぶこと
同様の理由で、熟練した鑑定士が常駐する買取店を選びましょう。
腕に自信のない鑑定士だと、質の悪い石を買い取ってしまうリスクを恐れて、不当に安い買取額を提示してくることもあります。
熟練した鑑定士に査定してもらうメリットとして、鑑定書が無い場合でも適正価格で売却できることが挙げられます。
鑑定書にはダイヤモンドの4C全てのグレードが表記されています。
鑑定書があればノウハウのないお店でも評価・買取できますが、全てのダイヤモンドに付属するわけではありません。無くしてしまった方もいらっしゃるでしょう。
また、メレダイヤなど、一定のカラット数を持たないダイヤモンドには鑑定書はめったに付属しません。
新たに鑑定に出すには費用がかかり、査定額から引かれてしまう可能性があります。
その点、きちんとした鑑定眼を持った鑑定士であれば、適正に判断してくれるのです。
一つの目安として、「鑑定書がなくても査定可能」と明言しているお店は安心できます。
そうは言っても鑑定書があるに越したことはないので、売却の際はお持ちでしたら付属することをおすすめいたします。
なお、ダイヤモンドは相場が存在し、需要と供給、また、為替などの影響で日々変動しています。
一番良い売り時をつかむためにも、売却の際は一度信頼できる買取店のスタッフに相場を問い合わせてみると良いでしょう。
・複数、最低でも3店舗以上の買取店に査定に出すこと
ダイヤモンドそのものだけでなく、ブランドや、リング・ネックレスなどのアイテムごとに強化買取しているお店は異なります。モノは同じでも、お店によって、数千円~数万円異なることも珍しくありません。
いくつかの買取店に査定に出して、最も納得のいく価格で買い取ってくれるお店を探すこともまた重要です。
また、複数のお店で出された査定額を基に、お持ちのダイヤモンドジュエリーの現在の相場や価値が把握しやすいといったメリットもあります。
理想は何店舗にも足を運ぶことですが、あまり神経質になっても疲れてしまいますので、3店舗以上を目標にすることをおすすめします。
3.アフターダイヤモンド製品の評価・買取について
アフターダイヤモンドという言葉をご存知でしょうか。
この業界における専門用語となりますが、腕時計やリング・ネックレス・イヤリングなどジュエリーのブランド既製品に、後から別の工房やお店でダイヤモンドを追加でセッティングすることです。
もともとダイヤモンドがセッティングされたものを購入するよりも安価で、また、既製品にはない自分だけのオリジナルが作れるとあって、人気のあるカスタマイズのうちの一つとして挙げられます。
このアフターダイヤモンドも、品質などによって評価され、買取に影響があるのでしょうか。
これは、悪い方に影響してしまいます。
と言うのも、カスタマイズされた製品はコピーとまではいかなくてもそのブランドの価値の無い社外品扱いとなり、純正品に比べ価値が落ちてしまうのです。
加工品ですから、メーカーによるメンテナンスも基本的に受け付けてくれなくなります。
また、アフターダイヤモンドをセッティングした技術や品質も手掛けた職人によってまちまちで、質を下げてしまっている個体は少なくありません。
このことから、通常買取価格を下げられたり、買取を受け付けないお店もあります。
メーカー側の目も年々厳しくなっており、ロレックスやカルティエなどはアフターダイヤモンドの売買規制に踏み出しました。今後ますます買取不可や低価格査定とするお店は増加していくでしょう。
一方でアフターダイヤモンド製品でもダイヤモンドの品質やセッティング技法を見極め、きちんと買取をしてくれるお店は存在します。
実際純正品でなくても、アフターダイヤモンドで個性を出した中古品の需要は決して低くないためです。
こういった買取店は、アフターダイヤモンド製品の転売ルートを持っていることが多いので、売却の際はそういったところを探してみることをおすすめします。
まとめ
腕時計や、リング・ネックレス・イヤリングにピアスなどのジュエリーにセッティングされたダイヤモンドの評価、そして買取についてご説明いたしました。
4C評価という基準はあれど、ダイヤモンドの品質鑑定には知識やノウハウが欠かせません。
売却の際は何よりもまず、信頼できる鑑定士のいる宝石買取専門店を選択することをおすすめします。
当店グリーバーでは、鑑定書のないダイヤモンドジュエリー、腕時計でも、鑑定能力に自信のある鑑定士がしっかりと品質評価・査定させていただきます。
アフターダイヤモンド製品もご相談に乗らせていただきますので、ぜひ一度お問い合わせくださいませ。