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インペリアルトパーズとは?歴史や特徴、買取相場を徹底解説!

インペリアルトパーズ

11月の誕生石としてお馴染みのトパーズ。
カラーやグレードに多彩なバリエーションがあり、幅広い層から人気を得ている宝石です。
ダイヤモンドやエメラルドに比べると「超高額」という印象は薄いかもしれませんが、実は「最も美しいトパーズ」「最高級のトパーズ」と呼ばれる石があります。それが今回ご紹介するインペリアルトパーズです。

インペリアル―皇帝―という名を冠するこのトパーズは、いったい他の石とどのような違いがあり、どんな魅力を備えているのでしょうか。
この記事では、インペリアルトパーズについて徹底解説いたします!

1. インペリアルトパーズとは?

インペリアルトパーズ

① DATA

鉱物名:トパーズ
和名:黄玉(おうぎょく)
色:黄褐色から橙褐色
モース硬度:8
劈開:あり
原産国:ブラジル
宝石言葉:友情・誠実・潔白

② 知っておきたいトパーズの種類

インペリアルトパーズは、トパーズの中の一つです。
トパーズは結晶内に含まれる成分によって二種類に分類されることができますが、その一方がインペリアルトパーズとなります。

どういうことかと言うと、トパーズはエメラルドやアクアマリン、トルマリンなどと同グループにあたるケイ酸塩鉱物で、結晶内にフッ素を含みます。このフッ素によって様々なカラーバリエーションを実現しており、産地によって含有量が異なってきます。このフッ素を多く含む個体をトパーズの中でもF-typeと呼び、主に一般的なブルーや無色のタイプとなります。これらは、ブラジルやロシア、東南アジア、日本などで採掘することが可能です。

しかしながらそんなトパーズの成分に、OH-typeと呼ばれるものがあります。このOH-typeはケイ酸塩とアルミニウム、そして水酸基(OH、ヒドロキシル基)と呼ばれる成分を含んでいます。

このOH-typeこそがインペリアルトパーズです。
特徴の詳細は後述しますが、このOH-typeトパーズの、産地はほぼブラジルで産出されており、ピンクやブルーのイメージが多いトパーズの中ではオレンジ味を帯びたイエロー~オレンジ、あるいはオレンジを帯びた褐色を有しています。また、屈折率が高く、光の加減でキラキラとした輝きを楽しめるとあって、トパーズの中では最高ランクに位置付けられてきました。

ちなみにF-typeにも褐色味を帯びたトパーズが見られますが、こちらは太陽光によって退色してしまう現象が見られます。

なお、やはり評価の高いピンクトパーズもOH-typeに分類されますが、近年ではF-typeのピンクトパーズも見つかっているようです。

インペリアルトパーズ

③ インペリアルトパーズの歴史

そもそもトパーズの歴史が長く、その語源も諸説があるほどです。
ただ、最も有名なものとして、トパーズの産出地と言われていた「トパジオス島」の由来が挙げられます。これは、ギリシャ語で「探し求める」を意味するtopazos(トパゾス)からちなんでいると言います。

紅海に浮かぶこの島は、現在ではザバルガート島(英名ではセントジョーンズ島)と呼ばれていますが、当地で産出していたペリドットがトパーズとして重宝されていました(当時は今ほど鉱物学的な分類が明確ではなかったため)。この古代ギリシャ名のトパジオスがトパーズの語源になったのでは、というものです。
ただ、サンスクリット語で「火」を表すtapas(タパズ)からちなんでいるという説もあります。

その後時代が下って1801年、フランスの鉱物学者であり「結晶学の父」としても名高いルネ=ジュスト・アユイによってトパーズが鉱物学的に分類され、かつOH-typeとF-typeの種類分けまでなされました。

こうしてトパーズの認識が世に広まりましたが、古くから黄色い石を愛でてきた習慣は変わりません。そのため変わらず人々にとってトパーズは重宝されるべき対象でしたが、中でもとりわけ美しく輝いていたトパーズを特別視します。

その、最高に美しいトパーズは、産出地が非常に限定的でした。ブラジルのミナスジェライス州がこれに当たります。

17世紀頃から金やダイヤモンド採掘が顕著な「宝石の鉱山」を持つ土地で、現在もトパーズを始めとした上質な宝石が産出されています。人々はこの地だけで採れる最上級トパーズを、時のブラジル皇帝ペドロ2世から名を頂き、「インペリアルトパーズ」として他の鉱物・宝石と区別するようになりました。なお、プレシャストパーズといった呼ばれ方も行われていたようです。

トパーズが宝飾品として市場に出回り始めた19世紀は、ダイヤモンドが各地で産出されると同時に、ジュエリー文化が花開いた時代でもあります。そのため偽物やイミテーションも広く出回ってしまい、他産地のトパーズやトパーズに似たクォーツなどと差別化する意味でも、インペリアルの名が採られたのでしょう。

現在でもインペリアルトパーズは限定的な産地であること、産出量が少なく、中でも宝石質の個体はきわめて稀少性が高いことから、トパーズ屈指の価値を誇ります。
コレクターズアイテムとしても人気が高く、命名から200年近く経つ今なお人々を魅了しています。

インペリアルトパーズ

 

2. インペリアルトパーズの特徴

前項でもご紹介したように、トパーズはケイ酸塩鉱物であり、そこにアルミニウム、水酸基(OH)を含有する鉱物です。

この水酸基こそがインペリアルトパーズの色味の秘訣。
と言うのも、発色は含有される微量のクロムにちなみますが(ルビーやエメラルドと同じ)、その色に深みがあります。水酸基は染料などにも用いられることのある原子団で、色に深みをもたらす効果があります。ちなみに淡い褐色や黄色味がかった様相がインペリアルトパーズを代表する色ですが、赤みの強いオレンジを持った個体もあり、他の宝石にはない独特のカラーリングが楽しめるものも。

また、トパーズは直射日光に弱く、太陽光にさらされた状態が続くと退色するケースがあるのですが、水酸基を含有したOH系トパーズは退色・変色はあまり見られません。

なお、鉱物ですので一つ一つに個体差があり、中には褐色系の色味を出していないインペリアルトパーズも存在しますが、2004年より水酸基を含んだものは全てOH-typeに分類され、インペリアルトパーズと呼んで差支えないようになりました。

さらに屈折率の高さも誇ります。
通常のトパーズもまた結晶があるため光を受けてキラキラしますが、インペリアルトパーズはさらにその効果が顕著となります。
シャープな結晶構造をしていてスタイリッシュなことも鑑みると、まさにインペリアルの名にふさわしい外観を有していると言えるでしょう。

一方で全てのトパーズに言えることですが、硬度は高いものの劈開(へきかい)があるため衝撃に弱く、特に一定の方向に強い力が加わると、すぐに割れてしまう側面もあります。少しぶつけただけで欠けてしまうケースもみられるため、取り扱いには注意しましょう。
インペリアルトパーズの色味を始めとした特徴はクロム等いくつかの成分を取り込むことで実現している生成過程上、インクルージョンも比較的多め。

そのためコーティングなどのエンハンスメントが施された個体があり、そういったものは見た目が美しく強度も増しますが、天然由来の価値は落ちてしまうのが難点です。ただし、加熱などのトリートメントに関しては、その限りではありません。

インペリアルトパーズ

 

3. インペリアルトパーズの買取相場と評価基準

「最も美しい」と名高いインペリアルトパーズは、コンディションにもよりますがF-typeのブルートパーズなどに比べて価値はぐっと高くなります。
人工処理が施されておらず、また高評価を得るものは1カラットで10,000円程度の買取相場を誇ります。
また、状態が良くかつ大きい個体はきわめてレアであるため、数万円~10万円以上の査定額が出ることも。

では一体どのようなインペリアルトパーズが高い評価を得るのかと言うと、やはり色がまず挙げられます。
赤みが強い濃いオレンジ系の色合い、かつ輝きの良いものが最もグレードが高くなります。そのような品質のトパーズはお目に掛かる事も難しいものです。
一般的に目にする事の出来るレベルでの最高品質で言うと、いわゆるシェリーカラー。オレンジとブラウンが絶妙にミックスされ、シェリー酒の香りを感じるような色合いです。
その次にはピンクやイエローと続きますが、ピンクやイエローに関してはインペリアルという名で呼んでよい物かどうか、宝石業界においても長年議論されています。

ちなみに良いインペリアルトパーズの一つの特徴として、光源を変えたり、暗所に持ち込んだりしても美しい色を出す、というものがあります。鉱物は蛍光灯の下で見るとキレイに見えたのに、太陽光の下にくるとくすんでしまった。そんなケースも少なくありません。
そのため光の種類や強さに関わらず美しさを保つインペリアルトパーズは、高い評価を得ることとなります。

とは言え「色」は好みにもよりますので、これからご購入される方は、お好きなものを選ぶのが一番でしょう。

インクルージョンも重要な評価基準です。
宝石とは言え鉱物は、内包物やクラックと切っても切れない関係にあります。前述の通りエンハンスメントを施せばキレイになりますが、人の手が加わったとされ、買取査定額はマイナスに響いてしまいます。

逆に言うと天然の状態でインクルージョンが少ない個体は、きわめて高い稀少性と価値を持つこととなります。

 

4. まとめ

インペリアルトパーズ

トパーズの最高峰・インペリアルトパーズについて解説いたしました。

トパーズにはOH-typeとF-typeの二種類があり、インペリアルトパーズは前者にあたること。褐色がかった色合いのみならず深みや退色のしづらさ・高い屈折率など、インペリアルと呼ばれるにふさわしい性質を持つこと。状態の良いインペリアルトパーズはきわめて高い買取相場を誇ることなどをお伝えできたでしょうか。

一般的にトパーズなどの色石は査定が難しいと言われておりますが、当店グリーバーでは熟練の鑑定士が在籍しております。

ご売却をお考えのトパーズがございましたら、ぜひ一度お持ち込みください!



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