人体への影響が少なく、長寿命。そのうえキラリと光ってゴージャスさを演出してくれる金歯を昔に思い切って入れた、という方もいらっしゃるでしょう。しかしながら経年によって歯から取れてしまった。あるいは虫歯や入れ歯への差し替えで、抜歯の必要性が出てきた。こういった時、その金歯をどうしていますか？捨てたり、歯医者さんに処分してもらったりというのは早計です。なぜなら貴金属の王である金が使われているため、素材として資産価値を有します。ここ20年ほど国際的な金相場が上昇傾向なこともあり、これを利用しない手はありません。
そこでこの記事では、金歯の買取について相場や、純度による差、同じく貴金属となる銀歯・プラチナ歯の買取について解説いたします！

1. 金歯はいくらで買取可能？

「金歯を売って結婚指輪を買ったんだ」そんな歌もあるくらい、金歯は「売れる」立派な資産です。
口の中にずっとあったものが売れる、ということに驚かれるかもしれませんが、実は金歯は買取店にお持ち込みの多い査定品の一つです。
では、金歯はなぜ売れて、いくらの買取額がつくのでしょうか。ご紹介いたします。

① 金歯はなぜ売れるの？

金歯が売れる理由は、「金でできている」から。口腔内で長年使われてきたとは言え、金の化学的特性が非常に優れているため、どこにあったかはあまり問題ではありません。
金の「変化しない」「安定性がある」という特性がポイント！耐酸化性に優れているためどのような環境下に置かれても変色や腐食がきわめて少なく、他金属に比べて錆びなどの心配がありません。補綴(ほてつ。欠損した部位を補うこと)医療で金が重宝されるのは、ずっと体内に残っていても劣化せず、しかも物質が溶け出して人体へ流れ込んでしまうことがないためです。
つまり、金はどこにあろうとも本来の姿を保っている、ということです。
加えて、金そのものは非常にやわらかいため銀や銅などの割り金を使って合金にされますが、他素材と化合しないので熱で溶かせば金だけを精製することができます。これは、金製品全てに言えることです。
ジュエリーなど再販できるものであれば金素材の価値、というよりも、そのジュエリーのデザインやブランドの付加価値で買取額が判断されますが、どのような形態の製品でも金素材の価値は変わりません。

こういった理由で、ずっと歯の役割を果たしていた金歯であっても、金としての値段はつくのです。

② 金歯はいくらで売れる？

では、金歯の気になるお値段はいくらなのでしょうか？
それは、お持ちの金歯の「純度」と「重さ」によって決まります。

純度とは、「その金歯にどれくらいの金が含まれているか」です。純度が高ければ高いほど金価格は高くなります。
と言うのも、金は合金であることがほとんどです。金歯であれば、やわらかい特性が歯になじみやすい、というメリットに繋がりますが、高額なため純金を選んだ、という方は少ないでしょう。
一方で金純度が低く、銀や銅などの割り金が多すぎると金属アレルギーを引き起こしたり、口腔内で劣化してしまったりといった原因になります。
そのため、金歯の純度は20金(K20)、18金(K18)、14金(K14)が一般的とされています。
20金は金含有率が83.5％、18金が75.0％、14金が58.5％です。ちなみにハイブランドのジュエリーは18金がスタンダードです。

純度あたりの金価格はお店で決まっているので、1gあたりの金価格×重さで金歯の価格を算出することができます。
被せもの(クラウン)やブリッジなど、金歯の形態によって使われる金重量は異なります。
例えば金歯が18金で、ある買取店のその日の18金の金価格が3,640円だった時、金歯一本が2gであれば
3,640×2＝7,280つまり、7,280円の買取額が付く、というわけです。

なお、金は国際的に取引されているため、為替や需要・供給の変動などによって毎日相場が変わります。また、買取店によって独自の手数料や利益率の設定があり、お店ごとで金価格は異なります。
毎日ホームページなどで金価格を更新しているところで確認し、かつ複数店のものを比較してみましょう。

③ 金歯の種類や量で買取価格に差が出る！？

基本的にはその日の金価格で、純度・重さによって素材の価値がつく。その計算式は変わりません。しかしながら気をつけてほしいのは、お店によっては金歯の種類や量で買取価格に差が出る可能性がある、ということです。

まず、金歯の種類についてご説明いたします。
「金歯」と言うと、詰め物(インレー)やクラウン(被せ物)が思いつくかもしれません。
補綴歯科医療で金素材が使われる時は、この二つの他に、ブリッジ(歯が1本～複数本なくなった時、両脇の歯から金属を橋渡しして歯の役割を果たす手法)や義歯，入れ歯の金属床(土台)などもあります。
基本的には「金がどれくらいの純度でどれくらいの量使われているか」が金の価値です。しかしながら、金歯は歯そのものや樹脂などの人工物が付いていて、個人ではなかなか取れない、といったこともあるでしょう。その除去に、手数料がかかることがあります。これはお店によって異なりますので、持ち込む前に一度確認してみましょう。

また、量についても、買取価格を変える大きな要因となります。
と言うのも、金製品を多く持ち込めば、査定額をアップしてくれる可能性があるためです。
「金歯一個だけなんて、持ち込んでも大丈夫？」と思うかもしれません。お店にもよりますが、金の買取に力を入れているところであれば受け付けてくれることがほとんどです。ただ、やはり持ち込む品数や金の量が多いほどお店では買取がしやすくなる、という傾向があります。もちろん無理にその他の金歯や金製品を持ち込む必要はありませんが、もし箪笥に眠ったままのネックレスやリングといったジュエリーがあれば、一緒に査定に出してみましょう。

2. 金歯の売却で気をつけたいこと

金歯を売ろうと思う時、いくつか気をつけていただきたいことがあります。
ご紹介いたします。

① 金歯を抜いたら歯科医で回収された！？

金歯を抜いたら、歯科医が勝手に処分してしまった。そんな話を聞いたことがありませんか？歯科医にもよりますが、患者が何も言わなければ金歯を返さない先生もいるようです。
金歯はご自身でお金を払って装着した、大切な資産です。
これから抜歯をする、入れ歯を取り替える、という方は、処置を受ける歯科医に必ず「金歯を引き取りたい」旨を伝えましょう。

② 手数料はお店によって異なるので、必ず複数社を確認する

前述の通り、金歯に歯や樹脂などの人工物がついている場合、除去に手数料がかかることがあります。入れ歯などは特に人工物が多くなりますね。
また、金価格にはお店による手数料・利益率が加算されています。
金歯は、そのほとんどが数g程度でしょう。そのため、金価格があまり高くないお店を選んでしまうと、結果的に大して得をしなかった、なんて事態になりかねません。
必ず金歯を査定に出す前にその日の金価格を確認しましょう。また、複数社のものを調べることが大切です。

③ 純度がわからない時は調べた方がいい？

使っていた金歯の純度が、わからなくなってしまった。そんな時は処置した歯科医に問い合わせれば判明する可能性が高いですが、金歯を入れて数十年経っている、という方もいらっしゃいます。そうなると、歯科医が既に閉業している可能性もありますね。
金歯はジュエリーアクセサリーと異なり、純度の刻印などはありません。
ただ、金の買取専門店では、熟練した鑑定士がきちんと純度を確認します。また、金純度を調べる専用機械も所有しているところが多いです。
そのため、事前に純度がわからなかったとしても、買取店で調べてもらえば問題ありません。
ただ、「純度をごまかされるのではないか？」そんな不安がある方は、歯などが付いていない金だけであれば純度を割り出すことができます。
水と重量計を使って比重(体積あたりの重量)を調べることで純度を算出します。
また、ピカピカと金の色味が強いものは純度が高く、白に近づくほど純度は低くなります。

④ キャンセル手数料の有無も確認しよう

買取店では、金歯はその性質上、歯・樹脂と金を分解してから査定を行います。
そのため、買取価格が折り合わず、査定をキャンセルした時、その手数料を取るお店が中には存在します。
繰り返しになりますが、事前に手数料関連はしっかり確認しましょう。

3. 金歯の高額査定の秘訣を徹底ガイド！

金の素材の価値は変わらない。とは言え、お店によって金価格は異なることがおわかりいただけたと思います。
そこで、金歯を少しでも高く売って、損をしない方法を解説いたします。

① 信頼できる買取店を選ぼう！

金歯に限らず、金製品の売却は信頼できる買取店を選択することが何より大切です。
例えば先ほど「純度をごまかされたらどうしよう」といった不安をご紹介いたしましたが、残念ながら不当に安く見積もったり、金買取のノウハウがなく、二束三文で買い叩いたりするお店は存在します。また、買ったものを回す豊富な販売ルートを持たず、金歯の買取はしない、といったお店もあります。
そのため、まずは金買取のノウハウのあるお店を選ぶこと。そして、問い合わせした際、しっかりこちらの不安を解消してくれるところをご選択ください。

② 金相場はしっかり確認！

金相場は国際的に毎日変動しています。2022年で1g=8,000円を超える価値となっています。
金は歴史的に価格が落ちづらいと言われており、安全資産といった呼び方もされます。
とは言え相場ですので、日々変動しています。どうせ売るなら高い時に売りましょう！
お店のホームページに金価格を掲載しているところを参考にしてみましょう。

③ キレイにした状態で持ち込む。ただしコンディションによる価格変動はありません

金はどのような状態であっても素材の価値は変わりません。精製すれば、金だけを取り出すことができるためです。そのため、歪んでいようが歯の形であろうが、純度と重さで価格は決定します。
しかしながらずっと口腔内にあったものです。やはり買取店も人対人ですから、食べかすや汚れがそのまま付着した状態と言うのはちょっとびっくりしてしまいますね。金歯はある程度洗って査定に持ち込むようにしましょう。

4. 銀歯・プラチナ歯の買取

補綴歯科医療で、金歯の次によく使用される貴金属に銀歯とプラチナ歯があります。
それぞれの買取店での取り扱いについてご紹介いたします。

まず、プラチナ歯は金同様に素材としての価値が高く、かつ経年による変化が少ない、リサイクル可能な資源です。そのため、金・ジュエリー専門の買取店に持ち込めば価格がつくケースが多いでしょう。金同様に純度と重さ、その日の相場で価格が決定しますが、プラチナは1000分率が用いられているため、Pt950などがプラチナ歯として用いられます。

一方の銀歯は、保険適用内のため安価で、お選びになる方も多いかもしれませんが、貴金属としての価値は金やプラチナなどと比べると低くなります。また、買取できる店舗も限られてくるでしょう。
ただし、銀歯もまた合金で使用されますが、ニッケルクロム合金と金銀パラジウム合金(金パラ。金12％、パラジウム20％をコンポーネントに含む)のものが存在します。後者の金銀パラジウム合金であれば、金とパラジウムの値段が評価される可能性があります。
とは言えパラジウムはもともとジュエリー装飾と言うよりも工業用触媒など産業用途で用いられてきました。そのためパラジウムを買取していなかったり、ある程度の量でないと受け付けなかったりといったお店もあります。
まずは事前に問い合わせてみてください。

5. まとめ

金歯の買取について、売り方や注意点、いくらの買取額が算出できるのかをご紹介いたしました。金歯は口の中で補助として役目を果たしていたため、取れてしまったら気軽に処分。そんな風に思われていることもありますが、立派な資産です。今お手元にある。あるいはこれから入れ歯などを替えるので手元に金歯が残る。そういった方は、ぜひ一度査定に出してみましょう。当店グリーバーでも金歯は積極的に買取しております！金価格も、利益度外視の業界高値と自負しておりますので、まずはお問合せください。